雰囲気に流されないようにしながら、俺は親父の持っているプラカードを見た。
「『ドッキリ大成功』……は?!」
「ええとね、先輩。お父さんがあたしに協力してほしくてあたしを連れてったんだって」
はぁ…
「はぁ」
俺はずるずると床に座りこんだ。
「先輩?」
「安心した。親父、柚菜になんかしたんだと思ってたから…」
そして、騙されてた俺はちょーだせぇ。
「伸は自分のこと、なにも私に話してくれないだろう。だから柚菜さんに協力してもらったんだ」
親父が言った。
柚菜と親父はグルだったんか。
「でも、柚菜さんとの関係がこれですべてわかったよ。大切にしなさい」
「伸先輩、騙しててごめんなさい。あたし、どうしてもお父さんと仲良くしてほしくって」
はぁーと深いため息をつく。
「んで?ほかにも聞きたいことあんだろ」
親父とはこーゆー話し方でいい。
これがちょうどいい。

