「…会った女の子にすぐ手を出したり、エロかったり……って本当ですか?」
つまり、タラシ。
「女の子と…ね。うわさで流れてんだ?」
「あたしは、理香に聞きました」
柚菜はわたしをチラリと見た。
あっ、あたしの出番ね!
「そのうわさが本当だったら、わたし、柚菜を伸先輩に預けられません」
「預ける…?」
あぁ!柚菜が久穏伸のこと好きだってばれちゃうか!
「…。いっしょに帰らせられません」
「あ、そ…」
久穏伸は観念した、というようにため息をついた。
わたしと柚菜を交互に見て、それから空を見た。
もう薄暗いゆうやけ。
雲がかかっていて、ハッキリしない。
でも、グランドから見た空は広い。
きれい。
「…うわさどおりかも。女にすぐ手ェ出したりとか、さ。柚菜、ごめんな」

