「あーんた!!久穏伸と付き合ってるんだって?」




いつもどおり。わたくし、水谷理香は柚菜に抱きつく。



柚菜は胸ないとか自分で言ってるけど、抱き心地がいいんだからっ!




柚菜とわたしは、小さい頃からの友達。


幼なじみってヤツ?



昔からの関係なのに、柚菜はわたしに隠してることがある。


今だにわたしにはなにも言ってくれない。



「いったい…。理香痛い」


「あぁ!ごめん!!」



いつもこんなふうに抱きつくのは、あたしなりの愛情表現だと思って、ね?




「で、付き合ってんの?」


わたしは改めて、柚菜に向き合って聞いた。



幼なじみなのに、聞いてないって知って悲しかったんだから!




「付き合ってないよ。あれは、ただのうわさっ!でもって、誤解!!」


「誤解?」


「たまたまそゆう勘違いなトコロを見られただけ」



なんだ、そうだったの。


おいしい体験があるのかと思ってたのに。