でも一つ気になったこと。


『先輩、あれはお父さん?』


『あ…まぁ』


伸先輩、声かけなかったし、お互い、見て見ぬふりしてて、仲悪いのかなぁって…。








朝はそのまま、伸先輩といっしょに学校に行った。


制服を取りに行ったとき、あたしはお母さんにかな~り怒られた。



ファンの子たちも、今日は来なかった。



「柚菜、コレ。忘れてったって届けてもらった」


「あっ…」


あたしのバッグ。



「ありがとうございます」




今は部活の休憩中。


部員たちが見てる。



部員の誰か一人がつぶやいた。


「あの二人って実際はどうなんだ」


「えっなんかあんの?」



「俺今日あの二人が伸の家から出てくるのを見た!!」


だれかが大声で言った。


あたしたちはばっと振りかえってしまう。



部員たちと目が合って、乾いた笑いをした。