「ごめんなさい…」


パーティの次の日、あたしはちゃんとなおとくんに断った。



「先輩の気持ちはわかってましたし。ほら、ちゃんと婚約者もいますし」


「そ、なの?」



なおとくんはにっこりして、あたしの耳もとに近づいた。



「伸先輩とのこと、がんばってね」



あたしの顔はすぐに赤くなった。



あたしの態度、そんなにバレバレ?



なおとくんは、さわやかに去っていった。






伸先輩……昨日のことを思い出してしまう。



『うち寄ってく?』



けっきょくあたしは伸先輩の家に泊まった。




もちろん部屋とかは別々で。


なにも、なかったけど。



貸してくれた服が伸先輩の服。


伸先輩のにおいが…っ。