後ろから声がかかる。 低い男のひとの声。 おそるおそる体を向けると、女の子にかっこいいと人気の伸先輩がドアにもたれかかっていた。 「こんな遅くまでオシゴト?」 にっこり微笑んであたしの隣のベンチに座った。 女の子に人気のワケ。 だれにでも笑顔を見せて、だれにでも優しくて。 「手伝ってあげようか」 女の子がほしい言葉を持っている。 よく言えばいいひと。 悪く言えばタラシ。 けっこう苦手なタイプだったりする。 でも、自分と梓先輩との恋のため。 月島柚菜!がんばりまっす!!