恋愛偏差値$完




夏は怖いものを見るもの?


でも怖いものは怖い。


あたしは怖いものが嫌い。


肝試しが苦手!!




「マネージャー怖いんかぁ?」


「こっ、怖くないもん!」


尋くんには、からかわれることが多いかも。


「声裏返ってるけどねw」


「裏返ってないもん!尋くんこそ怖くないの?」



ここは神社だから、いつもより怖さがありすぎ。





鐘をつくところから、境内を一周する。


その間に昼間に置いてきたメッセージを読みとって、ゴールで答えを言う。

言えなかったり、間違ったりしたら、もう一度。


もちろん、お墓の前だって通る。




こんなところ、お化けはいないってわかってても怖いよ~。




「怖いわけないじゃん。一人でもだいじょうぶなくらいだし」


「一人でも…?」


「二人で行くんだよ。よかったね」



ほ、本当によかった~。


あたしはほっとしたため息をついた。



「柚菜ちゃん、俺と行こうか?」


尋くんがスルリとあたしの肩に巻きついてくる。