「つっ…かれた」
伸先輩が追いかけてくるかと思って、ここまで必死になったあたしがばかだった。
追いかけてくるはずないのに。
「ねぇっ?」
「わぁ!」
一人だけの部屋にこんな声が聞こえるわけないじゃない!
普通なら怖がるところだけど女のひとの声だったからだいじょうぶ。
あたしは後ろを振り返った。
「えへへ。こんにちわ!」
さっきの知的美人さん…
「こ、こんにちわ…」
どうしてここにいるんですか…?
「ここあたしの家みたいなもんだから。隠し通路とかわかるの。だからわかったの」
「え…この部屋に入る隠し通路ってことですか?」
伸先輩の彼女本当にキレイ。
あたしが男だったらぜったい好きになってるよ。
「ん!」
ってにっこり。
あの伸先輩がほれるのもわかる。

