俺は前髪をかきあげてため息をついた。
「あっれ~?もしかして、あの子?」
綾香が俺の肩に体重を預けてくる。
「は?」
「あっそか!あたしが伸にキスしちゃったから怒っちゃったんだ」
あいかわらずマイペースなヤツ。
「あたし、あの子に言ってくるよ!」
「は?おい!」
綾香が柚菜を追いかけてった。
はぁ…
伸俺はまたため息をついた。
なんかいろいろありそうな…。
今日のメニューは個人個人で行うもの。
顧問のもとで練習したり、一人で練習したり。
だから今日は夜までマネージャーの仕事はない。
走って、部屋に戻ったあたしは息を切らせていた。

