とある日の昼休みのことである。
私が、先生から頼まれていた用事を済ませ、職員室から教室へ戻ろうとした時だった。
隣のクラスの男子から呼び止められた。体育などの合同授業で一緒になる程度で、その男子とは接点がほとんどない。よく考えたら、名前もうろ覚えだ。
松田君だっけ?松下君だっけ?
そんな程度も分からないくらいの男子である。
私は早く教室へ戻り、友達とお喋りがしたいのに、その男子はなぜか辺りを見回しながらもじもじ、もじもじと落ち着かない。
「何ですか?さっさと言ってください」
いい加減、少しだけイラッときた私は、なるべく顔に出さないように努力しながら、その男子に向かって一言いった。
すると男子は何か覚悟を決めた様子で、先程までのそわそわと落ち着きない感じがなくなると、じっと真っ直ぐに私を見つめている。
よく見るとイケメンである。
「あのさ、松任谷さん。これ、読んでください!!」
突然、男子から手渡された手紙。四つ折りにされただけで封筒にさえ入っていない便箋。
私は、呆気にとられたまま、その手紙を受け取ると、男子は照れたようににかっと笑い、その場を立ち去っていった。
手紙を片手に、ぽかんと男子の後ろ姿を見ていた私は、響き渡る予鈴の音で我に返る事が出来た。そして、手に持ったままだった手紙を更に小さく折りポケットへ入れると、急いで教室へと戻っていった。
私が、先生から頼まれていた用事を済ませ、職員室から教室へ戻ろうとした時だった。
隣のクラスの男子から呼び止められた。体育などの合同授業で一緒になる程度で、その男子とは接点がほとんどない。よく考えたら、名前もうろ覚えだ。
松田君だっけ?松下君だっけ?
そんな程度も分からないくらいの男子である。
私は早く教室へ戻り、友達とお喋りがしたいのに、その男子はなぜか辺りを見回しながらもじもじ、もじもじと落ち着かない。
「何ですか?さっさと言ってください」
いい加減、少しだけイラッときた私は、なるべく顔に出さないように努力しながら、その男子に向かって一言いった。
すると男子は何か覚悟を決めた様子で、先程までのそわそわと落ち着きない感じがなくなると、じっと真っ直ぐに私を見つめている。
よく見るとイケメンである。
「あのさ、松任谷さん。これ、読んでください!!」
突然、男子から手渡された手紙。四つ折りにされただけで封筒にさえ入っていない便箋。
私は、呆気にとられたまま、その手紙を受け取ると、男子は照れたようににかっと笑い、その場を立ち去っていった。
手紙を片手に、ぽかんと男子の後ろ姿を見ていた私は、響き渡る予鈴の音で我に返る事が出来た。そして、手に持ったままだった手紙を更に小さく折りポケットへ入れると、急いで教室へと戻っていった。



