神殺しのクロノスタシス3

桜餅を顔面に投げつけるのと、

ちり取りに集めたゴミを顔面に投げつけるのと、

どっちも負けず劣らず酷いことじゃないのか、と思ったのだが。

ツキナは、全然お構い無し。

「そんなの酷いよ!折角作ってくれたのに!きっとその人、すぐり君と仲良くしたいと思って作ってくれたんだよ!」

「…仲良く…?」

あいつが俺と仲良くして、何になるって言うんだ。

冗談じゃない。

馬鹿にされてる気がするだけだ。

「そりゃ、食べ物無駄にしたのは悪かったと思ってるけど」

「それだけじゃありません!」

ピシャリと怒られた。

「すぐり君に歩み寄ろうという、その人の気持ちまで踏みにじったの!酷い!人間の『ぎょしょう』じゃないよ!」

「…それを言うなら、『所業』では?」

「むっ、ぬぬぬ…!人の揚げ足取ってないで、今すぐその人に謝ってきなさい!」

は?

今、何を。

「『仲良くしたいだけだったのに、失敗しちゃった』ってずっと気にしてたらどうするの?可哀想でしょ!」

いや、あいつはそういうことを気にするタイプではないだろう。

もっと無神経な、

「良いから今すぐ謝ってきなさーい!」

「いった!」

何故か尻を蹴っ飛ばされ、きゃんきゃんと喚かれた。

「謝ってこないんだったら、もう一生罰掃除だから!毎日毎日卒業まで、ずっと罰掃除なんだからね!」

「…は…!?」

卒業まで毎日って。

俺は何だ。毎日玄関掃除する業者か何か?

「早く行ってきなさい!」

「…」

拒否したら、またしてもゴミを投げつけられそうな勢い。

こんな小娘の言うことなんて、無視してしまえば良いのに。

俺は何故か、誠に不本意ながら、学院長室に向かっていた。