…仕方ない。
ここは、昨日と同じく。
嘘と真実を織り混ぜた、嘘をつくとしよう。
「昨日、俺施設育ちって言ったじゃん?」
「うん」
「そこがさー、あんまり良い施設じゃなくって」
「えっ」
「まともに教育受けられなかったから、俺、馬鹿なんだよね。成績落ちこぼれの劣等生」
「…」
「お陰で、ここに来てようやく、まともに勉強してる。おっかしいよね~。国内最高峰の学校に入学してるのに、今更小学生の習う範囲勉強してるのなんて、俺くらいだよ」
あ、俺と『八千代』もそうだ。
二人くらいだな。
「…」
ツキナは無言。
信じたか?信じてるよな?多分。
「ツイてるんだかツイてないんだか。まぁ、生きてるんだから儲けものってことで…」
「…昨日から思ってたけど」
「え?」
「…すぐり君は、悲しいことをへらへら笑いながら話すよね。あれって、何でなの?」
「…」
…驚いた。
そんな質問をされるとは思わなかった。
…え?
「…俺、へらへら笑ってた?」
「笑ってるじゃん」
「…笑ってるんだ…」
それは、自覚なかったなぁ。
「それは多分、へらへら笑ってやり過ごさなきゃ、やってられないようなことだからじゃないかな?」
「…違うよ」
ツキナは、俺の頭にポンと手を置いた。
「本当は悲しいことなのに、すぐり君が無理矢理、笑い事にしようとしてるだけだよ」
「…」
そう、なんだろうか?
自覚したことがなかった。
俺は、悲しい思ったことがあるのだろうか?
「良くないよ。悲しいことや苦しいことは、ちゃんとそう言わなきゃ」
「…」
悲しいことを悲しいなんて、言ってる暇があったら。
一人、人を殺すのに使った方が、余程効果的だよ。
悲しいからって、悲しいなんて言ってる暇はなかったんだよ。
そんな無駄なことしてたら、自分の首が飛ぶ。
感情なんて、暗殺に全く必要ない。
だから、『八千代』は常に無表情に、無感情に生きていた。
対する俺は、本当は悲しいことや苦しいことがあっても、へらへら笑って、誤魔化して、生きてきたのだろうか?
『八千代』は?『八千代』はどうなんだろう。
彼もまた、同じようにしてきたのか?
いや違う。『八千代』が悲しそうにしてるところや、笑って誤魔化そうとしてるところは見たことがない。
あいつは、多分何も感じてなかったのだ。
それが、俺と『八千代』の差?
「…俺さ、きっとおかしいんだよ」
俺は、頭の上に乗せられたツキナの手を取り。
その手を、そっと押し退けた。
俺なんかが、触って良い手じゃない。
「悲しいことも苦しいことも、人にとっては泣きたくなるようなことも、俺は何も感じない。へらへら笑って、その顔の下には何も感じてない。生来の、サイコパスって奴?」
暗殺者には、持って来いの性格。
生まれながらの殺戮者。
それが、花曇すぐりという人間…。
「…ううん、そんなことはないよ」
押し退けた手を、ツキナはぐいっと戻した。
意地でも、絶対逃がさないみたいな手付きで。
ここは、昨日と同じく。
嘘と真実を織り混ぜた、嘘をつくとしよう。
「昨日、俺施設育ちって言ったじゃん?」
「うん」
「そこがさー、あんまり良い施設じゃなくって」
「えっ」
「まともに教育受けられなかったから、俺、馬鹿なんだよね。成績落ちこぼれの劣等生」
「…」
「お陰で、ここに来てようやく、まともに勉強してる。おっかしいよね~。国内最高峰の学校に入学してるのに、今更小学生の習う範囲勉強してるのなんて、俺くらいだよ」
あ、俺と『八千代』もそうだ。
二人くらいだな。
「…」
ツキナは無言。
信じたか?信じてるよな?多分。
「ツイてるんだかツイてないんだか。まぁ、生きてるんだから儲けものってことで…」
「…昨日から思ってたけど」
「え?」
「…すぐり君は、悲しいことをへらへら笑いながら話すよね。あれって、何でなの?」
「…」
…驚いた。
そんな質問をされるとは思わなかった。
…え?
「…俺、へらへら笑ってた?」
「笑ってるじゃん」
「…笑ってるんだ…」
それは、自覚なかったなぁ。
「それは多分、へらへら笑ってやり過ごさなきゃ、やってられないようなことだからじゃないかな?」
「…違うよ」
ツキナは、俺の頭にポンと手を置いた。
「本当は悲しいことなのに、すぐり君が無理矢理、笑い事にしようとしてるだけだよ」
「…」
そう、なんだろうか?
自覚したことがなかった。
俺は、悲しい思ったことがあるのだろうか?
「良くないよ。悲しいことや苦しいことは、ちゃんとそう言わなきゃ」
「…」
悲しいことを悲しいなんて、言ってる暇があったら。
一人、人を殺すのに使った方が、余程効果的だよ。
悲しいからって、悲しいなんて言ってる暇はなかったんだよ。
そんな無駄なことしてたら、自分の首が飛ぶ。
感情なんて、暗殺に全く必要ない。
だから、『八千代』は常に無表情に、無感情に生きていた。
対する俺は、本当は悲しいことや苦しいことがあっても、へらへら笑って、誤魔化して、生きてきたのだろうか?
『八千代』は?『八千代』はどうなんだろう。
彼もまた、同じようにしてきたのか?
いや違う。『八千代』が悲しそうにしてるところや、笑って誤魔化そうとしてるところは見たことがない。
あいつは、多分何も感じてなかったのだ。
それが、俺と『八千代』の差?
「…俺さ、きっとおかしいんだよ」
俺は、頭の上に乗せられたツキナの手を取り。
その手を、そっと押し退けた。
俺なんかが、触って良い手じゃない。
「悲しいことも苦しいことも、人にとっては泣きたくなるようなことも、俺は何も感じない。へらへら笑って、その顔の下には何も感じてない。生来の、サイコパスって奴?」
暗殺者には、持って来いの性格。
生まれながらの殺戮者。
それが、花曇すぐりという人間…。
「…ううん、そんなことはないよ」
押し退けた手を、ツキナはぐいっと戻した。
意地でも、絶対逃がさないみたいな手付きで。


