僕の日常は変わった。
「おはよう、令月君」
「おはよう」
教室に来たら、クラスメイトが気さくに話しかけてくる。
不思議な感覚だ。
「相変わらず、墨擦ってるのか?鉛筆使えば良いのに」
「こっちの方が書きやすいから」
「ふーん…。やっぱり変わってるなぁ、令月は」
そう言って笑う、隣の席のクラスメイト。
変わってる。
自分でもそう思う。
僕は変わった。それも、大きく変わった。
少し前の僕だったら、自分がこんな日常を送ってるなんて、絶対思わなかっただろう。
「あ、そうだ令月」
「何?」
そういえば、軽々しく名前で呼ばれるのも、大きな変化の一つだ。
これも、不思議な感覚だ。
「今日から、新しい先生が来るんだって。知ってるか?」
「…」
新しい先生。
それは知ってる。
学院長に、事前に聞いていたから。
でも。
「知らなかった。そうなの?」
知らなかった振りをする。
その方が、クラスメイトに余計な勘繰りをさせずに済むから。
「あぁ。男の先生らしいけど。今日の朝礼で紹介されるんじゃないかって噂」
「何処で知ったの?そんなこと」
この件は、他のクラスメイトには内密に、と言われていたのだが。
何故か、僕が話すまでもなくクラスメイトにバレてる。
情報漏洩だ。
何処からバレた?
「校舎に入ってくのを見たんだよ、隣のクラスの生徒が」
「…」
「イレース先生に付き添われてたから、時期的にも、多分今年から入る新しい先生じゃないかって」
「へぇ…」
成程。
確信がある訳じゃなくて、ただの噂程度か。
生徒の中にスパイでもいるのかと、少し不安になってしまったじゃないか。
まぁ、彼の推測通り、どうせ今日の朝礼でお披露目されるから、特に隠しておく必要はなかったのだが。
「何の科目の担当なんだろうな?楽しみだよな」
「そうだね」
新しい新任教師が、何の科目の担当なのか。
僕は知っていたが、知らない振りをしておいた。
「おはよう、令月君」
「おはよう」
教室に来たら、クラスメイトが気さくに話しかけてくる。
不思議な感覚だ。
「相変わらず、墨擦ってるのか?鉛筆使えば良いのに」
「こっちの方が書きやすいから」
「ふーん…。やっぱり変わってるなぁ、令月は」
そう言って笑う、隣の席のクラスメイト。
変わってる。
自分でもそう思う。
僕は変わった。それも、大きく変わった。
少し前の僕だったら、自分がこんな日常を送ってるなんて、絶対思わなかっただろう。
「あ、そうだ令月」
「何?」
そういえば、軽々しく名前で呼ばれるのも、大きな変化の一つだ。
これも、不思議な感覚だ。
「今日から、新しい先生が来るんだって。知ってるか?」
「…」
新しい先生。
それは知ってる。
学院長に、事前に聞いていたから。
でも。
「知らなかった。そうなの?」
知らなかった振りをする。
その方が、クラスメイトに余計な勘繰りをさせずに済むから。
「あぁ。男の先生らしいけど。今日の朝礼で紹介されるんじゃないかって噂」
「何処で知ったの?そんなこと」
この件は、他のクラスメイトには内密に、と言われていたのだが。
何故か、僕が話すまでもなくクラスメイトにバレてる。
情報漏洩だ。
何処からバレた?
「校舎に入ってくのを見たんだよ、隣のクラスの生徒が」
「…」
「イレース先生に付き添われてたから、時期的にも、多分今年から入る新しい先生じゃないかって」
「へぇ…」
成程。
確信がある訳じゃなくて、ただの噂程度か。
生徒の中にスパイでもいるのかと、少し不安になってしまったじゃないか。
まぁ、彼の推測通り、どうせ今日の朝礼でお披露目されるから、特に隠しておく必要はなかったのだが。
「何の科目の担当なんだろうな?楽しみだよな」
「そうだね」
新しい新任教師が、何の科目の担当なのか。
僕は知っていたが、知らない振りをしておいた。


