…翌日。
俺は放課後学習会を放り出して、校舎玄関に向かった。
掃除しろって言われたから、仕方なく。
掃除とはいえ、適当にその辺掃いておけば良い…と。
思っていたのだが。
「うわー…。予想以上に掃除し甲斐があってドン引きなんだけど…」
忘れていた。
季節は春。四月の真ん中。
校庭に並んだ桜の、散った花びらとその軸が。
まばらに地面を汚していて、凄く汚い。
しかも、風向きが悪いのか、散った花びらは全部校舎周りに集中している。
やべぇ。
「これを一人で掃除しろとか…。鬼だろ、あの子…」
名前何て言うんだっけ…。あぁ、ツキナだ。
クラスメイトなんだった。
愚痴っていても仕方ないので、俺は竹箒を手に、掃除を開始しよう…と、
一歩歩き出した、そのとき。
「悪い子はいねがー!」
「うわっ、びっくりした」
玄関の花壇の茂みから、花びらを被った女子生徒が、ぴょこんと出てきた。
何処に潜んでるんだ。
おかしいな、この学校魔導師育成校だったはずなのに、将来くの一志望の生徒もいるのか、と思ったら。
「あ?ツキナじゃん…」
「すぐり君!」
他ならぬ、僕に玄関掃除を命じた女子生徒が、そこにいた。
何で潜んでた?
「何やってるの…?」
そんな、葉っぱと花びらにまみれて。
どうでも良いけど頭の上、芋虫乗ってるよ。
「抜き打ちチェックだよ!すぐり君がちゃんと罰掃除してるか、監視しに来たの」
「なんだ、そんなこと…」
「なんだとは何だ!昨日サボったんだから、今日もサボってるかもしれないでしょ!」
ごもっとも。
「だから、ちゃんとやってるか監視しに来たの。やってる?」
「今からやろうとしてたところ」
「宜しい。じゃあ、しっかりお掃除しなさい」
「面倒だなぁ…」
「文句言わなーい!」
文句の一つも言いたくなるよ。
ようやく『八千代』の顔を見なくて済んだと思ったら、今度はこの仕打ち。
何が嬉しくて。
それより。
仁王立ちして、俺を監視してるのは良いけど。
「…頭の上、芋虫乗ってるけど。良いの?」
「ほぇ?」
ほぇ?じゃなくて。
そんな茂みに身を潜めてるから。
植物だと勘違いされたのだろう。
良かったね。それ、学院長の分身じゃなくて、本物の芋虫だよ。
「芋虫…?」
「うん。飼ってるの?頭の上で」
「…」
「…」
「…ほぇぁぁぁぁ!!」
奇声をあげ始めた。
将来くの一には向いてないな。芋虫くらいで叫んでるんじゃ。
「取って取って取って~!すぐり君取って~!」
半泣きですがりついてきた。
面白い。
「え~?どうしようかな」
「酷い酷い意地悪!取ってったら~!」
「でも俺、罰掃除で忙しいしな~」
「やだぁお願いお願い!お願いしまうぅすぐり君取って~!」
…にやり。
俺は、ツキナの頭でうにょうにょしてる芋虫を、指で摘まんだ。
「取ったよ」
「と、取った?もういない?」
「いないよ」
「良かったぁ。すぐり君ありが、」
「じゃーん」
顔を上げたツキナの目の前に、俺の指に摘ままれてうにょうにょしてる芋虫。どアップ。
「…」
ツキナは、しばし真ん丸の目で芋虫を凝視し。
そして。
「きゃーっ!!」
想像通りのリアクションをありがとう。
こういうのは、ベタなのが一番面白いってね。
俺は放課後学習会を放り出して、校舎玄関に向かった。
掃除しろって言われたから、仕方なく。
掃除とはいえ、適当にその辺掃いておけば良い…と。
思っていたのだが。
「うわー…。予想以上に掃除し甲斐があってドン引きなんだけど…」
忘れていた。
季節は春。四月の真ん中。
校庭に並んだ桜の、散った花びらとその軸が。
まばらに地面を汚していて、凄く汚い。
しかも、風向きが悪いのか、散った花びらは全部校舎周りに集中している。
やべぇ。
「これを一人で掃除しろとか…。鬼だろ、あの子…」
名前何て言うんだっけ…。あぁ、ツキナだ。
クラスメイトなんだった。
愚痴っていても仕方ないので、俺は竹箒を手に、掃除を開始しよう…と、
一歩歩き出した、そのとき。
「悪い子はいねがー!」
「うわっ、びっくりした」
玄関の花壇の茂みから、花びらを被った女子生徒が、ぴょこんと出てきた。
何処に潜んでるんだ。
おかしいな、この学校魔導師育成校だったはずなのに、将来くの一志望の生徒もいるのか、と思ったら。
「あ?ツキナじゃん…」
「すぐり君!」
他ならぬ、僕に玄関掃除を命じた女子生徒が、そこにいた。
何で潜んでた?
「何やってるの…?」
そんな、葉っぱと花びらにまみれて。
どうでも良いけど頭の上、芋虫乗ってるよ。
「抜き打ちチェックだよ!すぐり君がちゃんと罰掃除してるか、監視しに来たの」
「なんだ、そんなこと…」
「なんだとは何だ!昨日サボったんだから、今日もサボってるかもしれないでしょ!」
ごもっとも。
「だから、ちゃんとやってるか監視しに来たの。やってる?」
「今からやろうとしてたところ」
「宜しい。じゃあ、しっかりお掃除しなさい」
「面倒だなぁ…」
「文句言わなーい!」
文句の一つも言いたくなるよ。
ようやく『八千代』の顔を見なくて済んだと思ったら、今度はこの仕打ち。
何が嬉しくて。
それより。
仁王立ちして、俺を監視してるのは良いけど。
「…頭の上、芋虫乗ってるけど。良いの?」
「ほぇ?」
ほぇ?じゃなくて。
そんな茂みに身を潜めてるから。
植物だと勘違いされたのだろう。
良かったね。それ、学院長の分身じゃなくて、本物の芋虫だよ。
「芋虫…?」
「うん。飼ってるの?頭の上で」
「…」
「…」
「…ほぇぁぁぁぁ!!」
奇声をあげ始めた。
将来くの一には向いてないな。芋虫くらいで叫んでるんじゃ。
「取って取って取って~!すぐり君取って~!」
半泣きですがりついてきた。
面白い。
「え~?どうしようかな」
「酷い酷い意地悪!取ってったら~!」
「でも俺、罰掃除で忙しいしな~」
「やだぁお願いお願い!お願いしまうぅすぐり君取って~!」
…にやり。
俺は、ツキナの頭でうにょうにょしてる芋虫を、指で摘まんだ。
「取ったよ」
「と、取った?もういない?」
「いないよ」
「良かったぁ。すぐり君ありが、」
「じゃーん」
顔を上げたツキナの目の前に、俺の指に摘ままれてうにょうにょしてる芋虫。どアップ。
「…」
ツキナは、しばし真ん丸の目で芋虫を凝視し。
そして。
「きゃーっ!!」
想像通りのリアクションをありがとう。
こういうのは、ベタなのが一番面白いってね。


