神殺しのクロノスタシス3

で、残された俺達。

「令月君、大丈夫?顔拭いて」

「どうも」

シルナが差し出したタオルで、令月は桜餅の残骸まみれの顔を拭いていた。

全く…何だってこんなことに。

それから。

「ナジュ、お前なぁ…。言ってることは正論だけど、すぐりを煽るような言い方…」

「…」

「…ナジュ?」

ナジュは、食べかけの桜餅片手に、何故か真顔で固まっていた。

…?どうした?

そういえば、さっきも「あれ?」とか言ってたが。

「…ナジュ、どうした?」

「え?あ…いえ」

「…?すぐりの心を読んだのか?」

「それはまぁ…いつも読んでますけど」

いつもは読むなよ。

「今何か…。いや、何でもないです」

「…」

「しかし、普通に美味しいですよこれ」

「…勝手に食うなよ…」

「二つ目もーらおっと」

「もらうなよ…」

…まぁ、折角作ってきた桜餅が、無駄になったら勿体ないからな。

ナジュが二つ摘み食いして、すぐりが一つ投げつけて、残り一つになった桜餅は、令月の勧めで俺がもらったが。

本当に普通に美味しくて、令月が不憫だった。