神殺しのクロノスタシス3

で、ようやく魔導隊舎の裏庭が、もとの体裁を取り戻し。

危うく火に炙られるところだった、可哀想な犬達の命も救い。

最後にようやく、ベリクリーデに取り掛かる。

本当は、この時点でベリクリーデは無視して帰っても良かったのだが。

放っておくと、再び同じことをしでかしかねないので。

結局は、助けない訳にはいかないのだ。

こいつ、もうそれを分かっててやってんじゃないのかなって。

「…ベリクリーデ。何をやってる?」

「ジュリス〜。助けて〜」

じたばた、と暴れるベリクリーデ。

何やら、黒いシートのようなものに巻き取られ、絡まり合っている。

どうやったら、こんなことになるんだ。

何がやりたかったんだ、お前は。

とにかく。

「助けるから、暴れんな」

「あう〜」

「動くなって、ほら。じっとしてろ」

俺は、全身に絡まっていた重いシートから、ベリクリーデを引き離した。

言うは易しだが、引き離すのに、10分はかかった。

全身に巻き付いているだけではなく、服に金具のようなものが引っ掛かってたりして、なかなか取れなかったのだ。

無理に引っ張ったら、ベリクリーデが怪我しかねんし。

しかもこれ、シートが結構重くて、かなりの重労働。

何で、俺がこんなことを。

つーか何やってんだ、俺。

そもそもベリクリーデが何やってんだ。

そんな自問自答を、頭の中で50回は繰り返し。

ようやく、シートとベリクリーデの分離に成功した。