神殺しのクロノスタシス3

とりあえず。

ちょっと頭がクールになったので。

まず、第一にすべきことが閃いた。

「ほら、逃げろ」

俺はまず、ロープに繋がれていた野良犬三匹を、市街地に逃してやることにした。

ほら、動物を勝手に縛ったりとかしてると、動物愛護団体的なところがさ、黙ってないかと思って。

しかし、ベリクリーデは。

「あぁぁ〜!ジュリス酷い〜」

何やら宣っていた。

「何が酷いんだよ」

「折角、街中探して、追いかけ回して捕まえた獲物だったのに」

お前の方が、百倍は酷いじゃないかよ。

何をやってるんだよ。

野良犬が可哀想だろ。あいつらだって生きてるんだぞ。

しかも獲物って。お前、やっぱりあの三匹を食べるつもりだったのか。

野良犬を焼こうとしてる、って言ってたもんな。

危ないところだった。マジで、動物愛護団体的なところが動き出すところだった。

…で、次にするべきことは。

「ジュリス助けて〜」

黒いシートに埋もれて、もがもが藻掻いているベリクリーデを救出する…、

…ことではなく。

「どうするんだよ、この穴…」

地面に空いた、二つの巨大な穴。

こちらを何とかする為に、俺は杖を取り出した。

こいつ、穴を掘る際に、火力に物を言わせて土を蒸発させてしまっている。

故に、埋め戻そうにも、埋め戻す為の土がない。

ならば、仕方がない。

「droung」

俺は魔法を使って、穴を最低限まで修復することにした。

具体的に言えば、他のところから少しずつ土を持ってきて、穴に埋めていく。

皮膚移植みたいなものだ。

10分程度魔法をかけ続けて、ようやく。

何とか、穴は塞がった。

まだ地面が歪だが、少なくとも、巨大な穴の中に滑り落ち、怪我をする人間はいなくなったことだろう。

久々に、かなり特殊な魔法を使ったので、神経も魔力も消費する、大変な仕事だったが。

何とかやり遂げた。

それなのに、ベリクリーデは。

「あ〜!折角開けたのに〜。酷い〜」

文句垂れていた。

無視しておいた。

何が酷いだ。酷いのはお前の奇行だろ。