神殺しのクロノスタシス3

「本の通りにしたら、何人も成功したのに…。何でジュリスは駄目なんだろう…」

安心しろ。

誰一人、成功者はいない。

こんな奇天烈な格好で松ぼっくりを渡されて、告白された側もびっくりしただろうな。

後で、俺が責任持って謝罪して回るよ。

もしかしたら、本気にしてしまった人もいるかもしれないし。

「…とりあえず、ベリクリーデ」

「何だろう…。何が悪かったんだろう…」

全部だよ。

とにかく、タネが分かってしまったら、安心した。

その上で、俺は責任を持って、ベリクリーデの色んな間違いを修正しなければならない。

間接的とはいえ、事の発端を作り出してしまったのは、俺だからな。

「まず、背中のチャックを締めろ」

一番気になっていたところを、直すことにした。

「だって、背中に手が回らないんだもん」

そうだと思ったよ。

俺はベリクリーデの後ろに回り、チャックを締めてやった。

ついでに。

「お前、蝶々結びのやり方知らないのか?」

「蝶々を縛るの!?」

「あぁ知らないんだな、はいはい」

生きてる蝶々縛り付ける訳じゃないからな、なんか勘違いしてるみたいだが。

俺は、固結びにされたリボンをほどき。

改めて、腰の辺りで綺麗にリボンを蝶々結びにした。

次に。

「その、みっともないパニエを外せ」

「ぱにえ?」

「スカートの中に入れてるだろ」

「え?これのこと?」

「馬鹿、スカートを捲るな!」

思いもよらず、際どいところが見えてしまったじゃないか。

慌てて目を逸らし、見なかったことにする。

「でもこれ外したら、『スカートのふんわり感』?がなくなっちゃうよ」

「なくても良い、そんなもんは。脱げ」

「分かった」

俺の前で脱ぐなよ、と言いたいところだが。

注意する前に、既に脱ぎ始めていたので。

俺は、ベリクリーデに背を向け、目を逸らすことで対処し、

ようとしたのだが。

ドタタッ、と転ぶような音がして、俺は反射的に振り返った。

すると、そこには。

脱ぎかけたパニエが足首に引っ掛かり、スカートが腰まで捲れ上がって、そりゃあもうあられもない格好を晒して、すっ転んだベリクリーデの姿。

見ないようにしようとか、もうそういう配慮、全部吹っ飛んだ。

下着丸見え。

「おまっ、ばっ…何やってんだ!?」

と、聞いたはものの、何があったのかは、一目瞭然。

慣れない、高過ぎるハイヒールのせいで、立ち上がった瞬間すっ転んだのだ。

ぬかった。先に、あのハイヒールを脱がせるべきだった。

「…痛かった…」

そうだろうよ。

「ベリクリーデ、ハイヒールを脱げ」

「でも、モテ女になれない」

「…スカート捲れて、パンツまで見せてる奴が、モテ女も糞もないだろ…」

まずスカートを直せよ。パンツ丸出しで靴を脱ごうとするな。

順序がおかしいだろ。