ベリクリーデのいる小屋は、すぐに分かった。
慌てた村の女性達が、彼女の小屋をひっきりなしに出入りしていたから。
いかにも、大事なものを隠そうと必死になっていると言わんばかり。
そこだな。
地面に降り立った俺は、恐怖に怯える村の女達に対峙した。
「…そこを退け」
敵でもない女と、やり合う趣味はない。
ましてや、武器も持たない女に。
退いてくれさえすれば良いだけだ。
しかし。
「不浄の者を入らせるな!お前達、生き神様を守るのだ!」
「は、はいっ!」
俺の前に立ち塞がるように、出刃包丁と石斧を持ったボディーガードらしき若い男達が、小屋から出てきた。
…あぁ、そうかい。
どうしても、叩きのめされないと気が済まないか。
だが。
生憎俺は、抵抗する術を持たない弱者を、いたぶって遊ぶ趣味はない。
俺が杖を振ると、男達の手から武器が零れ落ちた。
「えっ!?」
「な、何で…」
そして。
彼らが気づいたとき、俺はもう、男達の前にはいなかった。
彼らの背後に降り立ち、堂々と小屋の中に入った。
予想通り。
そこには、黒いシーツを敷いた寝台に寝かされた、ベリクリーデがいた。
「ベリクリーデ…!」
駆け寄ると、彼女の手首から、ポタポタと血が流れているのが分かった。
手首だけじゃない。
ベリクリーデの顔は、青白いを通り越し、土気色になっていた。
まるで拷問を受けたかのように、口元にべったりと血の跡がついていた。
それが、無理矢理歯を引き抜かれた跡だと分かり、俺は一瞬にして、頭に血が上るのを感じた。
こいつら…!
「お前ら…俺の…ベリクリーデに、何をした!!」
俺の渾身の怒声に、中にいた婆さんが、腰を抜かしていた。
「女の顔に、よくも…!これがお前らのやり方か!恥を知れ!!」
相手が、魔法を使えない一般人でなかったら。
思わず手を出してしまいそうなほどに、俺は憤っていた。
そして今は、それ以上に大事なものがある。
「ベリクリーデ!ベリクリーデ…しっかりしろ!」
俺は、寝台に横たわったベリクリーデを腕に抱いた。
ようやく、ようやくこの身体を抱き留めることが出来た。
もう二度と、決して離したくないと思った。
慌てた村の女性達が、彼女の小屋をひっきりなしに出入りしていたから。
いかにも、大事なものを隠そうと必死になっていると言わんばかり。
そこだな。
地面に降り立った俺は、恐怖に怯える村の女達に対峙した。
「…そこを退け」
敵でもない女と、やり合う趣味はない。
ましてや、武器も持たない女に。
退いてくれさえすれば良いだけだ。
しかし。
「不浄の者を入らせるな!お前達、生き神様を守るのだ!」
「は、はいっ!」
俺の前に立ち塞がるように、出刃包丁と石斧を持ったボディーガードらしき若い男達が、小屋から出てきた。
…あぁ、そうかい。
どうしても、叩きのめされないと気が済まないか。
だが。
生憎俺は、抵抗する術を持たない弱者を、いたぶって遊ぶ趣味はない。
俺が杖を振ると、男達の手から武器が零れ落ちた。
「えっ!?」
「な、何で…」
そして。
彼らが気づいたとき、俺はもう、男達の前にはいなかった。
彼らの背後に降り立ち、堂々と小屋の中に入った。
予想通り。
そこには、黒いシーツを敷いた寝台に寝かされた、ベリクリーデがいた。
「ベリクリーデ…!」
駆け寄ると、彼女の手首から、ポタポタと血が流れているのが分かった。
手首だけじゃない。
ベリクリーデの顔は、青白いを通り越し、土気色になっていた。
まるで拷問を受けたかのように、口元にべったりと血の跡がついていた。
それが、無理矢理歯を引き抜かれた跡だと分かり、俺は一瞬にして、頭に血が上るのを感じた。
こいつら…!
「お前ら…俺の…ベリクリーデに、何をした!!」
俺の渾身の怒声に、中にいた婆さんが、腰を抜かしていた。
「女の顔に、よくも…!これがお前らのやり方か!恥を知れ!!」
相手が、魔法を使えない一般人でなかったら。
思わず手を出してしまいそうなほどに、俺は憤っていた。
そして今は、それ以上に大事なものがある。
「ベリクリーデ!ベリクリーデ…しっかりしろ!」
俺は、寝台に横たわったベリクリーデを腕に抱いた。
ようやく、ようやくこの身体を抱き留めることが出来た。
もう二度と、決して離したくないと思った。


