神殺しのクロノスタシス3

散々、血を抜かれた後。

「さぁ、起きてくださいませ」

何度、その「作業」が繰り返されたのか。

私は、お姉さんの手を借りながらよろよろと起き上がった。

…頭が痛い。

ついでに、頭がふらふらする。

足元のおぞましいたらいを見ると、大量の血が溜まっていた。

あれ、全部私の血だ。

「穢れた」私の血。

あれが穢れてるの?普通の血じゃないの?

私は何で、こんなところで、こんなことをやらされてるんだっけ?

…そうだ。任務だ。任務の為なんだった。

ちゃんとここで生き神様の役割をこなして、女王様の特命をきちんとこなして。

そして、ジュリスのもとに帰るのだ。

…ジュリス。

ジュリス、今頃何してるんだろう。

私がこんな目に遭ってると知ってるだろうか。

ぼんやりと、そんなことを考えていると。

「さぁ、生き神様。次は滝行でございます」

…。

…この人、今何か言った?

頭がぼんやりして、何も聞こえてこなかった。

「…何?」

「滝行。谷の奥に流れる聖なる滝に打たれ、心身共に穢れを落として頂くのです」

…また穢れ。

私は、そんなに汚いものなのだろうか?

…とはいえ。

延々と血を抜かれるよりは、水に打たれた方がマシか。

「うん…。分かったから、もうちょっと休ませて…」

身体から限界まで血を抜かれて、物凄くしんどい。

滝にでも銃にでも打たれるから、それは後にして欲しい。

しかし。

「いけません、生き神様。急がなければ、聖なる時間が終わってしまいます」

あぁ…。

夜にならないと、この修行は出来ないんだっけ…?

「さぁ、急いで。これも心身共に穢れを取り払い、神聖なる生き神様に戻る為の試練なのですよ」

…試練…。

…そっか。そうだよね。

私いっつも、適当なことばっかりやって。

その尻ぬぐいを、ジュリスにさせてきたんだもんね。

だから今回は、私が一人で、ちゃんとしなきゃならないのだ。

その為の…試練。

「…分かった」

私は、のろのろと起き、そして立ち上がった。

ずっしりと重い衣装のせいで、倒れそうになるのを必死に堪える。

頑張らなきゃ。ちゃんと耐えなきゃ。

こんな苦労、ジュリスが今まで味わってきたものに比べれば、なんてことないんだから。