お婆さんは、一転、疑わしそうな目で私を見た。
「生き神様…。あなた様は、本当に生き神様なのでしょうね?」
えっ。
私を疑ってるのだろうか?
私って、本当に生き神様なのだろうか?
生き神様という呼ばれ方をされたことは、一度もないけれど。
彼らの言う生き神様とは、多分聖なる神を体内に宿す者。
つまり、私のことを指しているのだろうから。
「うん、神様だよ」
それは、素直に認める。
その為に、女王様の極秘任務を受けて、ここに来たんだし。
…あ。
なら、もしかして。
この、変な儀式も、任務のうちなのだろうか?
「ならばおかしい…。生き神様ならば、進んで務めを果たされるはず…。何故…」
「…」
どうしよう。
このお婆さん、困らせちゃった。
私が嫌だ、って言ったから困ってるんだよね?
…嫌だって言うのは、良くないことだ。
だってこれは、私の任務なのだから。
女王様が命じて、ジュリスが私に託した、大事な任務。
ちゃんと果たして帰らないと、きっとまたジュリスに「足手まとい」って言われてしまう。
…仕方ない。
痛いのは嫌だし、やりたくないけれど…。
「…分かった。やる」
「!」
お婆さんとお姉さんは、歓喜してハッと顔を上げた。
「よ、良かった…。生き神様、ご自身のお役目を思い出してくださったのですね」
「きっと生き神様は、長らく神聖なる谷を離れて、穢れた不浄の土地にいらした為、心が乱れておられるのでしょう」
…穢れた不浄の土地って、何処?
あの収容所のことだろうか?
あそこは確かに汚かったけど。
「しかし、ご安心なさいませ。この神聖なる谷で、務めを果たされるうちに、きっと乱れた心も正しく清めらることでしょう」
安心した顔のお婆さん。
そうなんだ。
確かに私の心は、乱れてる…と言うか。
ジュリスにいっぱい迷惑をかけて、悪い子だから。
きっとここにいれば、良い子になって、少しはジュリスに褒められるようになるだろう。
この変な儀式というのは、その為の試練なんだ。
私はそう思って、意を決してナイフを握り締めた。
「生き神様…。あなた様は、本当に生き神様なのでしょうね?」
えっ。
私を疑ってるのだろうか?
私って、本当に生き神様なのだろうか?
生き神様という呼ばれ方をされたことは、一度もないけれど。
彼らの言う生き神様とは、多分聖なる神を体内に宿す者。
つまり、私のことを指しているのだろうから。
「うん、神様だよ」
それは、素直に認める。
その為に、女王様の極秘任務を受けて、ここに来たんだし。
…あ。
なら、もしかして。
この、変な儀式も、任務のうちなのだろうか?
「ならばおかしい…。生き神様ならば、進んで務めを果たされるはず…。何故…」
「…」
どうしよう。
このお婆さん、困らせちゃった。
私が嫌だ、って言ったから困ってるんだよね?
…嫌だって言うのは、良くないことだ。
だってこれは、私の任務なのだから。
女王様が命じて、ジュリスが私に託した、大事な任務。
ちゃんと果たして帰らないと、きっとまたジュリスに「足手まとい」って言われてしまう。
…仕方ない。
痛いのは嫌だし、やりたくないけれど…。
「…分かった。やる」
「!」
お婆さんとお姉さんは、歓喜してハッと顔を上げた。
「よ、良かった…。生き神様、ご自身のお役目を思い出してくださったのですね」
「きっと生き神様は、長らく神聖なる谷を離れて、穢れた不浄の土地にいらした為、心が乱れておられるのでしょう」
…穢れた不浄の土地って、何処?
あの収容所のことだろうか?
あそこは確かに汚かったけど。
「しかし、ご安心なさいませ。この神聖なる谷で、務めを果たされるうちに、きっと乱れた心も正しく清めらることでしょう」
安心した顔のお婆さん。
そうなんだ。
確かに私の心は、乱れてる…と言うか。
ジュリスにいっぱい迷惑をかけて、悪い子だから。
きっとここにいれば、良い子になって、少しはジュリスに褒められるようになるだろう。
この変な儀式というのは、その為の試練なんだ。
私はそう思って、意を決してナイフを握り締めた。


