神殺しのクロノスタシス3

「おぉ…!生き神様だ!我らの生き神様だ!」

「ようやくこの目で、生き神様の姿を拝謁することが出来た!」

「これでこの谷は安泰だ。生き神様に守られた、我らの土地が帰ってきた…!」

「皆、目を開いてとくと見よ。この方こそ、我らの生き神様だ!」

谷の人々は、私の前にひれ伏し、涙を流して口々に私を褒め称えた。

…相変わらず、字状はよく分からないのだが。

さっきから、この人達が言ってる「生き神様」って。

もしかして、私のこと?

私、生き神様って呼ばれてる?

…私はベリクリーデなんだけど…。

今更、「私の名前ベリクリーデですよ」って、訂正して良いものか。

それとも、この人達は。

私の中に封印されている、聖なる神様のことを言っているのだろうか?

ジュリスやシュニィやシルナ学院長達から、「聖なる神のことは他言無用」と、口々に言われているから。

私は、このことをずーっと隠してきたけど。

何故か、この人達は私の中に神様がいることを知っている。みたいだ。

でなければ、私を生き神様とは呼ばないだろう。

もしかして、女王様の特命って、このことか?

この人達は、私の正体を知る特別な人達で。

この人達の相手をすることが、私の任務、ってこと?

成程。

それは確かに、秘密の任務だ。

しかも、私にしか出来ない。

ようやく、ちょっと納得出来た。

どうもこんにちは。ベリクリーデ改め、生き神様です。

でも正確には、私が神様なんじゃなくて、私の中に神様がいるってだけなんだけどなぁ。

私自身が神様な訳じゃないのに、神様扱いされて、変な感じ。

すると。

「さぁ、生き神様」

黒いコートを着た、お婆さんが。

私の手を取り、赤い絨毯の上に導いた。

「早速、祭壇へいらしてくださいませ。生き神様として、初めての務めを果たして頂きましょう」

「務め…?」

「はい。この谷と、この谷に住む人々の平穏と安息を祈願するのです」 

…?

私、何すれば良いの?

でも、谷の人達、期待の眼差しで私を見てるし。

お婆さんは、私の手を離してくれそうもないので。

仕方なく、また歩きにくい服を引きずって、祭壇とやらが祀られている小屋に連れていかれた。