「大体の居場所が分かったのなら、まずは向かってみないことには始まらない。桔梗谷の人々の思惑云々は、ベリクリーデを見つけてからだ」
「…」
「とにかく、まずは仲間を見つける。見つけて、安全に連れ戻す。ベリクリーデの安否が確認出来たなら、女王陛下への報告や処罰なんて、どうということはない些末な問題だ」
「…」
「…どうしたシュニィ。そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔をして」
「いえ…。珍しくあなたが知的なことを言うものですから、驚いて…」
それな。
皆思ってたけど言わなかった。
それな。
「な、失礼な!俺はいつも知的だぞ」
「ごめんなさいアトラスさん…。昨日、あなたがアイナに『お人形さん闘技場ごっこ』を教えているのを見て、あぁこの人はもう駄目なんだわ、と思ったこと、謝ります」
「そんなこと思ってたのか!?」
デンジャラスな香りのする遊びだな、おい。
幼児に、ましてや女児に教えて良い遊びじゃねぇだろ。
どうなってんだルシェリート家。
…とにかく。
「アトラス君の言う通りだ。まずは、ベリクリーデちゃんの安否を確認しないと」
「幸い、トラーチェに向かったことは分かってるんだろう?なら、そこから捜査を始めて…」
シルナ・エインリーと、羽久・グラスフィアが続けて言い、
そして。
「人員はどうする?」
無闇が尋ねる。
「まず、探索魔法の使えるエリュティアさんは絶対に必要でしょう。それから…」
「桔梗谷の連中が、何を企んでいるか知れない。エリュティアが行くなら、ボディーガード役に俺も行こう」
と、自分から名乗り出る無闇。
確かに、無闇がいてくれれば。
桔梗谷の連中が、もし武装していたとしても対応出来る。
「もし桔梗谷の方々が、ベリクリーデさんをすぐに返してくだされば良いんですが…」
「…争いになるなら、もう一人くらいはいた方が良いかもね。それも、回復魔法が使える人の方が良い」
と、シルナ。
「そうしてくれると助かる。俺は、回復魔法はどうも苦手だからな」
「ふふ。無闇でも苦手なことってあるんだね」
いつの間にか。
無闇の背後に、彼の持つ魔導書の化身が、ゆらりと現れていた。
名前は、月読だったか。
「うちの天音君に頼んでみようか?」
シルナが言った。
天音か…。あの、回復魔法に長けた魔導師。
今は、イーニシュフェルト魔導学院で保健室の先生やってるんだよな。
「いえ、『アメノミコト』との抗争はまだ終わってませんし、いつ何が起きるか分からない以上、『アメノミコト』の毒魔法に対抗出来る天音さんを、遠くに向かわせるのは得策ではないでしょう」
シュニィが答える。
そうだな。
ただでさえ、イーニシュフェルト魔導学院は少数精鋭なのだ。
そのうちの貴重な一人が抜けているときに、『アメノミコト』からの襲撃があったら。
もし桔梗谷の連中の裏に、別の黒幕がいるのなら。
学院も聖魔騎士団も、万全の状態をキープしていなければならないのだ。
「じゃあ、誰に…」
「私が行きます、と言いたいところなんですが…」
ちらり、と夫のアトラスを見るシュニィ。
するとアトラスは、案の定鼻息を荒くして。
「シュニィが行くなら、俺も行くぞ!」
…随分勇ましいことで。
「…と、こうなるので…」
「さ、さすがに…。聖魔騎士団団長と副団長が、両方不在っていうのは困るね…」
「そうですね。ですから、もう一人はクュルナさんに頼むことにします」
成程、クュルナか。
それは良い人選だ。
彼女はサポーター型の魔導師。回復魔法も、得意ではないにしても使えるし。
それなら…。
「ですから、ベリクリーデさんを迎えに行くメンバーは、エリュティアさん、無闇さん、クュルナさん、そしてジュリスさんの四人ということになります」
…ん?
「…」
「とにかく、まずは仲間を見つける。見つけて、安全に連れ戻す。ベリクリーデの安否が確認出来たなら、女王陛下への報告や処罰なんて、どうということはない些末な問題だ」
「…」
「…どうしたシュニィ。そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔をして」
「いえ…。珍しくあなたが知的なことを言うものですから、驚いて…」
それな。
皆思ってたけど言わなかった。
それな。
「な、失礼な!俺はいつも知的だぞ」
「ごめんなさいアトラスさん…。昨日、あなたがアイナに『お人形さん闘技場ごっこ』を教えているのを見て、あぁこの人はもう駄目なんだわ、と思ったこと、謝ります」
「そんなこと思ってたのか!?」
デンジャラスな香りのする遊びだな、おい。
幼児に、ましてや女児に教えて良い遊びじゃねぇだろ。
どうなってんだルシェリート家。
…とにかく。
「アトラス君の言う通りだ。まずは、ベリクリーデちゃんの安否を確認しないと」
「幸い、トラーチェに向かったことは分かってるんだろう?なら、そこから捜査を始めて…」
シルナ・エインリーと、羽久・グラスフィアが続けて言い、
そして。
「人員はどうする?」
無闇が尋ねる。
「まず、探索魔法の使えるエリュティアさんは絶対に必要でしょう。それから…」
「桔梗谷の連中が、何を企んでいるか知れない。エリュティアが行くなら、ボディーガード役に俺も行こう」
と、自分から名乗り出る無闇。
確かに、無闇がいてくれれば。
桔梗谷の連中が、もし武装していたとしても対応出来る。
「もし桔梗谷の方々が、ベリクリーデさんをすぐに返してくだされば良いんですが…」
「…争いになるなら、もう一人くらいはいた方が良いかもね。それも、回復魔法が使える人の方が良い」
と、シルナ。
「そうしてくれると助かる。俺は、回復魔法はどうも苦手だからな」
「ふふ。無闇でも苦手なことってあるんだね」
いつの間にか。
無闇の背後に、彼の持つ魔導書の化身が、ゆらりと現れていた。
名前は、月読だったか。
「うちの天音君に頼んでみようか?」
シルナが言った。
天音か…。あの、回復魔法に長けた魔導師。
今は、イーニシュフェルト魔導学院で保健室の先生やってるんだよな。
「いえ、『アメノミコト』との抗争はまだ終わってませんし、いつ何が起きるか分からない以上、『アメノミコト』の毒魔法に対抗出来る天音さんを、遠くに向かわせるのは得策ではないでしょう」
シュニィが答える。
そうだな。
ただでさえ、イーニシュフェルト魔導学院は少数精鋭なのだ。
そのうちの貴重な一人が抜けているときに、『アメノミコト』からの襲撃があったら。
もし桔梗谷の連中の裏に、別の黒幕がいるのなら。
学院も聖魔騎士団も、万全の状態をキープしていなければならないのだ。
「じゃあ、誰に…」
「私が行きます、と言いたいところなんですが…」
ちらり、と夫のアトラスを見るシュニィ。
するとアトラスは、案の定鼻息を荒くして。
「シュニィが行くなら、俺も行くぞ!」
…随分勇ましいことで。
「…と、こうなるので…」
「さ、さすがに…。聖魔騎士団団長と副団長が、両方不在っていうのは困るね…」
「そうですね。ですから、もう一人はクュルナさんに頼むことにします」
成程、クュルナか。
それは良い人選だ。
彼女はサポーター型の魔導師。回復魔法も、得意ではないにしても使えるし。
それなら…。
「ですから、ベリクリーデさんを迎えに行くメンバーは、エリュティアさん、無闇さん、クュルナさん、そしてジュリスさんの四人ということになります」
…ん?


