「…それにしても」
と、切り出すシルナ・エインリー。
「何でその…桔梗谷の人は、アナベルちゃんの家族を人質に取ってまで、ベリクリーデちゃんを攫ったんだろう…?」
「…」
…最大の謎だな、それは。
「彼らは…ベリクリーデさんの中に、聖なる神が封印されていることを知ってるんでしょうか」
と、吐月。
話の争点はそこだな。
桔梗谷の連中が、ベリクリーデの本当の「価値」に気づいているのか、いないのか。
もし気づいていないのなら、聖戦の再来は防げる。
だが、もし気づいていて、その上でベリクリーデを利用しようとしているのなら…。
…それだけは、断じて止めなければならない。
「でも、桔梗谷って初めて聞いたけど、ド田舎にあるちっこい村なんだろ?」
「そんな人里離れた村の人々が、ベリクリーデさんの『価値』を知る機会がありますかね」
キュレムとルイーシュが言った。
…俺も、同意見だ。
「そうですね。私の知る限りでは、桔梗谷の方々は、人里から離れて、原始的な暮らしをなさっているそうですし…」
「しかし、何でそんな遠くにいる村の人々が、ベリクリーデの存在を知ったのかは疑問だな」
シュニィと羽久が言った。
それも気になる。
奴ら、トラーチェの山奥から遥々、何だってベリクリーデを見つけたんだ?
で、聖魔騎士団を敵に回すようなことまでして、どうしてベリクリーデを攫っていった?
そう思うと、やはり彼女の「価値」を知っているからなのではないか…と疑ってしまう。
だって、そうでもなきゃ有り得んだろう。
そんな遠くの、辺境の地に住んでいる人々が。
わざわざ王都までやって来て、綿密に作戦を立て、ベリクリーデを拉致するなんて。
彼女の中にいる聖なる神が目的なのではないか、と疑うのも無理はない。
いや…でも。
長年生きてて、経験して分かったことだが。
事実は小説より奇なり、だからな。
俺達はさっきから、俺達の価値基準で考えているが。
もしかしたら桔梗谷の連中は、彼らにしかない価値基準を持って、その上で。
危険を犯してまで、ベリクリーデを攫うに値する理由が、何かあるのかもしれない。
「誰かが桔梗谷の人々に入れ知恵をして、ベリクリーデを攫わせたという可能性は?」
と、無闇。
桔梗谷の連中は利用されただけで、裏に何かしらの黒幕がいるのではないか、という意見だ。
それは勿論、可能性としては充分考えられるだろう。
「そうですね。その可能性もあるでしょう」
と、答えるシュニィ。
心当たりもある。ヴァルシーナとかな。
何せあいつは、洗脳魔法なんて厄介な魔法を使うんだろう?
他人を操って…桔梗谷の連中を使って、ベリクリーデを攫わせた。
有り得る。
シルナ・エインリーは、今ヴァルシーナが動くことはないだろうと予測しているが…。
それだって、完璧な推理ではないのだ。
今は、どんな可能性も考えられる。
「…ともかく」
議論が暗礁に乗り上げかけたところを、団長のアトラスが仕切り直した。
と、切り出すシルナ・エインリー。
「何でその…桔梗谷の人は、アナベルちゃんの家族を人質に取ってまで、ベリクリーデちゃんを攫ったんだろう…?」
「…」
…最大の謎だな、それは。
「彼らは…ベリクリーデさんの中に、聖なる神が封印されていることを知ってるんでしょうか」
と、吐月。
話の争点はそこだな。
桔梗谷の連中が、ベリクリーデの本当の「価値」に気づいているのか、いないのか。
もし気づいていないのなら、聖戦の再来は防げる。
だが、もし気づいていて、その上でベリクリーデを利用しようとしているのなら…。
…それだけは、断じて止めなければならない。
「でも、桔梗谷って初めて聞いたけど、ド田舎にあるちっこい村なんだろ?」
「そんな人里離れた村の人々が、ベリクリーデさんの『価値』を知る機会がありますかね」
キュレムとルイーシュが言った。
…俺も、同意見だ。
「そうですね。私の知る限りでは、桔梗谷の方々は、人里から離れて、原始的な暮らしをなさっているそうですし…」
「しかし、何でそんな遠くにいる村の人々が、ベリクリーデの存在を知ったのかは疑問だな」
シュニィと羽久が言った。
それも気になる。
奴ら、トラーチェの山奥から遥々、何だってベリクリーデを見つけたんだ?
で、聖魔騎士団を敵に回すようなことまでして、どうしてベリクリーデを攫っていった?
そう思うと、やはり彼女の「価値」を知っているからなのではないか…と疑ってしまう。
だって、そうでもなきゃ有り得んだろう。
そんな遠くの、辺境の地に住んでいる人々が。
わざわざ王都までやって来て、綿密に作戦を立て、ベリクリーデを拉致するなんて。
彼女の中にいる聖なる神が目的なのではないか、と疑うのも無理はない。
いや…でも。
長年生きてて、経験して分かったことだが。
事実は小説より奇なり、だからな。
俺達はさっきから、俺達の価値基準で考えているが。
もしかしたら桔梗谷の連中は、彼らにしかない価値基準を持って、その上で。
危険を犯してまで、ベリクリーデを攫うに値する理由が、何かあるのかもしれない。
「誰かが桔梗谷の人々に入れ知恵をして、ベリクリーデを攫わせたという可能性は?」
と、無闇。
桔梗谷の連中は利用されただけで、裏に何かしらの黒幕がいるのではないか、という意見だ。
それは勿論、可能性としては充分考えられるだろう。
「そうですね。その可能性もあるでしょう」
と、答えるシュニィ。
心当たりもある。ヴァルシーナとかな。
何せあいつは、洗脳魔法なんて厄介な魔法を使うんだろう?
他人を操って…桔梗谷の連中を使って、ベリクリーデを攫わせた。
有り得る。
シルナ・エインリーは、今ヴァルシーナが動くことはないだろうと予測しているが…。
それだって、完璧な推理ではないのだ。
今は、どんな可能性も考えられる。
「…ともかく」
議論が暗礁に乗り上げかけたところを、団長のアトラスが仕切り直した。


