…数時間後。
聖魔騎士団隊舎の会議室に、そうそうたるメンバーが集まっていた。
俺は勿論、魔導部隊隊長であるシュニィ、果ては聖魔騎士団団長であるアトラスも。
任務のはずのキュレムと、結局見つけたらしいルイーシュも。
それに、他の魔導部隊の大隊長達も。
それだけではなく、イーニシュフェルト魔導学院にも連絡し。
シルナ・エインリーと、羽久・グラスフィアまでもが、駆けつけてくれた。
全員が集まって、そして全員が深刻そうな顔で、事態を重く受け止めていた。
ベリクリーデが、いなくなったから。
彼女がいなくなったから。それだけの為に、これだけの人間が集まったのである。
これが他の人間なら、確かに大隊長の失踪はただ事ではないが。
これほどに、緊迫した状況には陥っていなかっただろう。
でも、今回姿を消したのは、ベリクリーデだ。
他ならぬ、ベリクリーデ・イシュテアである。
彼女がいなくなったとあれば、ただ事ではない。
何せ、彼女の中には。
羽久・グラスフィアの中にいる、邪神と対を成す。
聖なる神が、封じられているのだから。
もし、彼女の中に封印されている神が、何者かの手によって復活させられることがあれば。
大昔の神々の大戦争が、再び勃発しかねないのだ。
ベリクリーデには、それだけの可能性がある。
「学院長先生…。学院の方には、何か変わったことは?」
シュニィが、心配そうにシルナ・エインリーに尋ねた。
もし、ベリクリーデの失踪が、神々の諍いに巻き込まれているのなら。
遅かれ早かれ、もう一人の神。
邪神を宿す、羽久・グラスフィアにも行き着くだろうから。
しかし。
「いや…今のところ、学院には何もないね」
「一応、シルナ分身と、ナジュやイレースが睨みを効かせてる」
とのこと。
今のところは、何もない。
だが、安心は出来ない。
聖なる神がもし復活し、暴れ出せば。
シルナ・エインリーも羽久・グラスフィアも、無関係ではいられない。
それどころか、もし聖戦が始まってしまえば、もう俺達だけの話では済まない。
世界中の人々だって、無関係ではいられなくなるのだ。
「…くそっ…」
俺は、自分の浅慮を恨まずにはいられなかった。
ベリクリーデが、自分から出ていったのだとしても、もし誰かに連れ去られたのだとしても。
いずれにして、ペアである俺が目を光らせて、注意しておけば、防げたはずだ。
俺が昨日、あんな下らないことで腹を立てていなければ…。
「…ジュリスさん、気持ちは分かります。でも、こんなときだからこそ…焦ってはいけませんよ」
シュニィが、俺の気持ちを察したように言った。
「そうだよ。まだベリクリーデちゃんが攫われたと決まった訳じゃない」
シルナ・エインリーまでも、そう言って俺を励ました。
…本当、らしくないよな。俺。
そうだ。落ち着け、クールになれ。
緊急時に焦って急いて、良いことなんて何もないと言ったのは、他でもない自分じゃないか。
…ふぅ。
一度、頭をクールにして。
俺は、シルナ・エインリーに尋ねた。
「ベリクリーデが連れ去られたとして、一番考えられる戦犯は…やっぱり、あのヴァルシーナって女か?」
「…そうだね」
…やはりか。
聖魔騎士団隊舎の会議室に、そうそうたるメンバーが集まっていた。
俺は勿論、魔導部隊隊長であるシュニィ、果ては聖魔騎士団団長であるアトラスも。
任務のはずのキュレムと、結局見つけたらしいルイーシュも。
それに、他の魔導部隊の大隊長達も。
それだけではなく、イーニシュフェルト魔導学院にも連絡し。
シルナ・エインリーと、羽久・グラスフィアまでもが、駆けつけてくれた。
全員が集まって、そして全員が深刻そうな顔で、事態を重く受け止めていた。
ベリクリーデが、いなくなったから。
彼女がいなくなったから。それだけの為に、これだけの人間が集まったのである。
これが他の人間なら、確かに大隊長の失踪はただ事ではないが。
これほどに、緊迫した状況には陥っていなかっただろう。
でも、今回姿を消したのは、ベリクリーデだ。
他ならぬ、ベリクリーデ・イシュテアである。
彼女がいなくなったとあれば、ただ事ではない。
何せ、彼女の中には。
羽久・グラスフィアの中にいる、邪神と対を成す。
聖なる神が、封じられているのだから。
もし、彼女の中に封印されている神が、何者かの手によって復活させられることがあれば。
大昔の神々の大戦争が、再び勃発しかねないのだ。
ベリクリーデには、それだけの可能性がある。
「学院長先生…。学院の方には、何か変わったことは?」
シュニィが、心配そうにシルナ・エインリーに尋ねた。
もし、ベリクリーデの失踪が、神々の諍いに巻き込まれているのなら。
遅かれ早かれ、もう一人の神。
邪神を宿す、羽久・グラスフィアにも行き着くだろうから。
しかし。
「いや…今のところ、学院には何もないね」
「一応、シルナ分身と、ナジュやイレースが睨みを効かせてる」
とのこと。
今のところは、何もない。
だが、安心は出来ない。
聖なる神がもし復活し、暴れ出せば。
シルナ・エインリーも羽久・グラスフィアも、無関係ではいられない。
それどころか、もし聖戦が始まってしまえば、もう俺達だけの話では済まない。
世界中の人々だって、無関係ではいられなくなるのだ。
「…くそっ…」
俺は、自分の浅慮を恨まずにはいられなかった。
ベリクリーデが、自分から出ていったのだとしても、もし誰かに連れ去られたのだとしても。
いずれにして、ペアである俺が目を光らせて、注意しておけば、防げたはずだ。
俺が昨日、あんな下らないことで腹を立てていなければ…。
「…ジュリスさん、気持ちは分かります。でも、こんなときだからこそ…焦ってはいけませんよ」
シュニィが、俺の気持ちを察したように言った。
「そうだよ。まだベリクリーデちゃんが攫われたと決まった訳じゃない」
シルナ・エインリーまでも、そう言って俺を励ました。
…本当、らしくないよな。俺。
そうだ。落ち着け、クールになれ。
緊急時に焦って急いて、良いことなんて何もないと言ったのは、他でもない自分じゃないか。
…ふぅ。
一度、頭をクールにして。
俺は、シルナ・エインリーに尋ねた。
「ベリクリーデが連れ去られたとして、一番考えられる戦犯は…やっぱり、あのヴァルシーナって女か?」
「…そうだね」
…やはりか。


