神殺しのクロノスタシス3

「キュレムじゃないか…。おはようさん」

「おはよ!何してんのこんな朝早くに?」

「あ、いや。ベリクリーデを起こしに行こうと思ってな」

とはいえ、よくよく考えてみたら、まだ早過ぎたか。

夜遅くに訪ねるのも迷惑だが、同じくらい、朝早くに訪ねるのも迷惑だよな。

早く謝ってスッキリしたいが為に、さっさと出てきてしまった。

で。

「お前は何をしてるんだ?」

「ルイーシュ見なかった?」

ルイーシュ?

ルイーシュと言ったら、言わずもがな、キュレムの相棒だ。

「いや、見てないが…」

「そうか…。はぁ…」

キュレムの、この呆れ顔。

「いやさぁ、今日午前から任務なもんで」

俺とベリクリーデは、今日は休みをもらったが。

キュレムとルイーシュは、任務があるのか。

「逃げないようにとっ捕まえとこうと思ったら、もう既にいねぇの!何なのあいつ?マジ何処消えた訳?」

…また脱走か。

「苦労してんな、キュレム…」

「全くだよ。労ってくれよ!その辺に隠れてるならまだしも、たまに、自分の作った異空間に逃げ込んでるときあるからな」

探しようがない奴だな。

あいつの空間魔法で逃げられたら、俺達は探す方法がない。

エリュティアに協力を求めない限りは。

「あー、もうマジで何処行ったんだよくそぉぉぉぉ」

…気の毒。

「お互い、相棒には苦労してるな」

「確かに…。でも、そっちはまだ良いじゃん。ベリクリーデ脱走しないし、素直だし、脱走しないし」

脱走しないのは重要なポイントなんだな。

まぁ、ベリクリーデは、任務が嫌だからって逃げたりはしないから。

そこは良いところだな。

「…なぁ、キュレム」

ふと、俺は。

相棒というものを長く持っている先輩に、聞いてみたいことが思い浮かんだ。 

俺は、大抵ずっと一人で行動してきたからな。

相棒を持つという感覚が、よく分からない。

その点、キュレムとルイーシュは、俺より遥かに年下ながら。

相棒歴は、俺とベリクリーデよりずっと長い。

「ん?何?」

「相棒がそんな厄介だと…たまに、こう、もうこんな奴の相棒やめてやる!って思うことないか?」

「…」

驚いた顔のキュレム。

しばしの沈黙の後。

「…何?ジュリス、もうベリクリーデに愛想尽かしてんの?」

ずっこけるかと思った。