私服に着替えて(秘匿任務なので、制服を着ちゃ駄目って書いてあった)、駅に着いてみると。
やはり、トラーチェに向かう最終便が、まだ残っていた。
ちょっとギリギリだった。
切符を買い、滑り込みで列車に乗り込む。
東方都市トラーチェ、というのが何処にあるのかはよく知らないが。
夜間ずーっと走り続けて、現地に着くのは明日の午前だと言うのだから、かなり遠いのだろう。
そんな遠いところに、一人で行くのは初めてだ。
…いや、そもそも。
こうして、一人で旅をすることすら、初めてだ。
窓の外を見ても、外は真っ暗で、しかもトンネルの中を走っているので、外の景色を眺めることも出来ない。
…退屈だな。
今ここに、ジュリスがいてくれたらな。
色んなお喋りが出来るのに。
ジュリスは物知りで、色んな面白い話を知っている。
特に、ルーデュニアに来る前にいた世界で。
青い薔薇のブローチをつけた、黒い死神さんの話。
あれは面白かったなぁ。
特殊素材で作って、ジュリスがこっそり魔法で強化した鎌を、平然と使い潰して、ぶっ壊していたらしい。
凄い怪力だ。
自分が魔導師じゃなかったら、絶対あんな恐ろしい人物と取引はしなかった、とジュリスに言わしめた、黒い死神さん。
あの人の武勇伝を聞くのは、楽しかった。
ジュリスは、お話上手だもんなぁ。
こんな退屈なときに、傍にいてくれたら。
…ううん。
退屈じゃないときでも、ジュリスが傍にいてくれたらな。
…でも。
私がいたら、ジュリスは邪魔なんだよね。
私はきっと、ジュリスの足を引っ張る、足手まといなんだよね。
だからジュリスはきっと、もう匙を投げて。
一人で行ってこい、って、私を突き放したんだろう。
…。
…もし、この任務をちゃんと、誰にも頼らず、一人で達成出来たら。
ほんの少しは、見直してくれるだろうか?
「ベリクリーデも、やれば出来るじゃないか」って、褒めてくれるだろうか。
…うん、きっと褒めてくれる。
だから、頑張ろう。
そう決めて、私は窓に寄りかかって、そのまま目を閉じた。
朝になれば、トラーチェに着いているだろう。
やはり、トラーチェに向かう最終便が、まだ残っていた。
ちょっとギリギリだった。
切符を買い、滑り込みで列車に乗り込む。
東方都市トラーチェ、というのが何処にあるのかはよく知らないが。
夜間ずーっと走り続けて、現地に着くのは明日の午前だと言うのだから、かなり遠いのだろう。
そんな遠いところに、一人で行くのは初めてだ。
…いや、そもそも。
こうして、一人で旅をすることすら、初めてだ。
窓の外を見ても、外は真っ暗で、しかもトンネルの中を走っているので、外の景色を眺めることも出来ない。
…退屈だな。
今ここに、ジュリスがいてくれたらな。
色んなお喋りが出来るのに。
ジュリスは物知りで、色んな面白い話を知っている。
特に、ルーデュニアに来る前にいた世界で。
青い薔薇のブローチをつけた、黒い死神さんの話。
あれは面白かったなぁ。
特殊素材で作って、ジュリスがこっそり魔法で強化した鎌を、平然と使い潰して、ぶっ壊していたらしい。
凄い怪力だ。
自分が魔導師じゃなかったら、絶対あんな恐ろしい人物と取引はしなかった、とジュリスに言わしめた、黒い死神さん。
あの人の武勇伝を聞くのは、楽しかった。
ジュリスは、お話上手だもんなぁ。
こんな退屈なときに、傍にいてくれたら。
…ううん。
退屈じゃないときでも、ジュリスが傍にいてくれたらな。
…でも。
私がいたら、ジュリスは邪魔なんだよね。
私はきっと、ジュリスの足を引っ張る、足手まといなんだよね。
だからジュリスはきっと、もう匙を投げて。
一人で行ってこい、って、私を突き放したんだろう。
…。
…もし、この任務をちゃんと、誰にも頼らず、一人で達成出来たら。
ほんの少しは、見直してくれるだろうか?
「ベリクリーデも、やれば出来るじゃないか」って、褒めてくれるだろうか。
…うん、きっと褒めてくれる。
だから、頑張ろう。
そう決めて、私は窓に寄りかかって、そのまま目を閉じた。
朝になれば、トラーチェに着いているだろう。


