…で。
「…ベリクリーデ!」
「はい」
隊舎に帰り、防御壁を張る為に、部下の魔導師を何名か派遣し。
俺達を派遣した、魔導部隊隊長シュニィへの報告も済ませ。
仕事が一段落して。
まず、最初にやることは何か。
言うまでもなく…説教である。
「お前な!いつもいつも、何度言ったら分かるんだ!」
「…何を?」
とぼけやがってこの野郎。
「あの派手な魔法だよ!危うく線路と、山と、民衆と、俺が吹き飛ぶところだったろうが!」
命の危機を感じたわ!
駅員さん達が見てたから、平然とした顔装ってたけどな!
「もっと加減をしろ、加減を!威力を調節しろ!」
「だって、ジュリスがどっかーんってやれって言ったから」
俺のせいかよ。
「何度も言ってるだろ!あれは比喩だ、比喩!」
「…ひゆ?」
「例え話ってこと!本当に吹き飛ばせとは言ってねぇよ!」
俺の防御壁展開が、僅かでも遅れていたらと思うと。
寒気がする。
二次災害どころじゃない、甚大な人災が起こるところだった。
シュニィよ。ああいう場所への派遣は、もっと人事を考えてくれ。
「大丈夫だよ」
「は!?何が」
ベリクリーデは、何故か微笑みさえ浮かべていた。
「私、ジュリスのこと信じてるから。ジュリスが守ってくれるって分かってるから。ジュリスなら大丈夫だよ」
「…」
「ジュリスのこと信じてなかったら、あんなことしなかったよ」
「…あ、そう…」
そうか。そうですか。はいはい。
信用してくれて、どうもありがとうございますね。
「私ジュリスのこと信じてるから。だから大丈夫」
何が大丈夫なのか、ちょっと誰か、説明してくれませんかね。
俺はもう、こいつの謎理論についていけねぇよ。
あー、もう頭痛くなってきた。
「もうお前の面倒は見きれん。俺は疲れた」
「お疲れ様、ジュリス」
俺の疲れの八割は、大抵お前のせいだ。
「…俺はもう帰るからな」
「え、もう?」
「疲れたし。それに、報告書も書かなきゃならないだろ」
「それなら、私も一緒に…」
馬鹿言え。
「お前が混じったら、余計な手間が増えるだけだ。ついてくんな」
「…」
「頼むから、今日はもう、俺を煩わせるのはやめてくれ」
そう言い残して。
俺は、くるりと踵を返した。
我ながら大人気ないことを言ったと、後になって思った。
…もし、このとき一瞬でも振り返って。
俺の背中を見つめながら、ベリクリーデがどんなに悲しそうな顔をしていたか、この目で見ていたら。
きっと俺は、すぐに彼女に駆け寄って、謝っていただろう。
もし、このとき。
次にベリクリーデに会えるのは、ずっと先になることを知っていたら。
…俺はきっと、彼女を抱き締めて、離さなかっただろう。
「…ベリクリーデ!」
「はい」
隊舎に帰り、防御壁を張る為に、部下の魔導師を何名か派遣し。
俺達を派遣した、魔導部隊隊長シュニィへの報告も済ませ。
仕事が一段落して。
まず、最初にやることは何か。
言うまでもなく…説教である。
「お前な!いつもいつも、何度言ったら分かるんだ!」
「…何を?」
とぼけやがってこの野郎。
「あの派手な魔法だよ!危うく線路と、山と、民衆と、俺が吹き飛ぶところだったろうが!」
命の危機を感じたわ!
駅員さん達が見てたから、平然とした顔装ってたけどな!
「もっと加減をしろ、加減を!威力を調節しろ!」
「だって、ジュリスがどっかーんってやれって言ったから」
俺のせいかよ。
「何度も言ってるだろ!あれは比喩だ、比喩!」
「…ひゆ?」
「例え話ってこと!本当に吹き飛ばせとは言ってねぇよ!」
俺の防御壁展開が、僅かでも遅れていたらと思うと。
寒気がする。
二次災害どころじゃない、甚大な人災が起こるところだった。
シュニィよ。ああいう場所への派遣は、もっと人事を考えてくれ。
「大丈夫だよ」
「は!?何が」
ベリクリーデは、何故か微笑みさえ浮かべていた。
「私、ジュリスのこと信じてるから。ジュリスが守ってくれるって分かってるから。ジュリスなら大丈夫だよ」
「…」
「ジュリスのこと信じてなかったら、あんなことしなかったよ」
「…あ、そう…」
そうか。そうですか。はいはい。
信用してくれて、どうもありがとうございますね。
「私ジュリスのこと信じてるから。だから大丈夫」
何が大丈夫なのか、ちょっと誰か、説明してくれませんかね。
俺はもう、こいつの謎理論についていけねぇよ。
あー、もう頭痛くなってきた。
「もうお前の面倒は見きれん。俺は疲れた」
「お疲れ様、ジュリス」
俺の疲れの八割は、大抵お前のせいだ。
「…俺はもう帰るからな」
「え、もう?」
「疲れたし。それに、報告書も書かなきゃならないだろ」
「それなら、私も一緒に…」
馬鹿言え。
「お前が混じったら、余計な手間が増えるだけだ。ついてくんな」
「…」
「頼むから、今日はもう、俺を煩わせるのはやめてくれ」
そう言い残して。
俺は、くるりと踵を返した。
我ながら大人気ないことを言ったと、後になって思った。
…もし、このとき一瞬でも振り返って。
俺の背中を見つめながら、ベリクリーデがどんなに悲しそうな顔をしていたか、この目で見ていたら。
きっと俺は、すぐに彼女に駆け寄って、謝っていただろう。
もし、このとき。
次にベリクリーデに会えるのは、ずっと先になることを知っていたら。
…俺はきっと、彼女を抱き締めて、離さなかっただろう。


