さて、あとやるべきことは残り僅か。
「生地を型に入れて、焼くだけだ」
「うん任せ、」
「はいはい杖出さなくて良いからな。焼くのはオーブンがやってくれるから、お前はこのカップに、生地を入れてくれ」
「分かったー」
ベリクリーデにスプーンを渡してやると。
彼女は、生地を掬って、カップケーキの型に入れ始めた。
「ちょっとねちょねちょするねー。面白い」
「そうか、良かったな」
「これ、本当に焼いたらマフィアになるの?」
「マフィンな」
抗争始めようとするな。
「焼いたら、マフィンになるの?」
「なるよ」
「でも、ベタベタだよ?」
「まだ生地の状態だからな。焼いたら、ちゃんとふっくらするよ」
何せ、万能なホットケーキミックスが入ってるからな。
心配しなくても、ちゃんと膨らむ。
「そうなんだ。凄いね〜ジュリス」
「俺かよ。俺が発明した訳じゃねぇよ」
「凄い凄い。ジュリスは色んなこと知ってて凄いな〜」
「はいはい…」
お前が楽しそうで何より。
スプーン片手に、あちこち生地で手を汚しながら、型にマフィンの生地を入れる様を見ていると。
本当に、でっかい幼稚園児みたいで、それなりに愛嬌があるんだけどな。
こいつの中に、恐ろしい神がいるなんて、とても信じられないくらい。
邪神の方が怖いだろう、って?
俺に言わせりゃ、お互いを憎み合って、人間まで巻き込んで殺し合おうとする神なんて。
どちらも、傍迷惑な存在でしかない。
罰当たりだろうと何だろうと。
世界は神の為ではなく、世界に生きる人間の為にあるのだ。
だから、ベリクリーデ。
お前は存分に、人間として楽しみ、人間として生きろ。
お前には、その権利がある。
「…?ジュリス、どうかした?」
「うん?何でもねぇよ」
「ジュリスもやる?」
「いや、お前がやって良いよ」
「やったー」
本当、無邪気と言うか何と言うか。
俺が、本気でベリクリーデを怒れない理由が、分かるだろう?
「生地を型に入れて、焼くだけだ」
「うん任せ、」
「はいはい杖出さなくて良いからな。焼くのはオーブンがやってくれるから、お前はこのカップに、生地を入れてくれ」
「分かったー」
ベリクリーデにスプーンを渡してやると。
彼女は、生地を掬って、カップケーキの型に入れ始めた。
「ちょっとねちょねちょするねー。面白い」
「そうか、良かったな」
「これ、本当に焼いたらマフィアになるの?」
「マフィンな」
抗争始めようとするな。
「焼いたら、マフィンになるの?」
「なるよ」
「でも、ベタベタだよ?」
「まだ生地の状態だからな。焼いたら、ちゃんとふっくらするよ」
何せ、万能なホットケーキミックスが入ってるからな。
心配しなくても、ちゃんと膨らむ。
「そうなんだ。凄いね〜ジュリス」
「俺かよ。俺が発明した訳じゃねぇよ」
「凄い凄い。ジュリスは色んなこと知ってて凄いな〜」
「はいはい…」
お前が楽しそうで何より。
スプーン片手に、あちこち生地で手を汚しながら、型にマフィンの生地を入れる様を見ていると。
本当に、でっかい幼稚園児みたいで、それなりに愛嬌があるんだけどな。
こいつの中に、恐ろしい神がいるなんて、とても信じられないくらい。
邪神の方が怖いだろう、って?
俺に言わせりゃ、お互いを憎み合って、人間まで巻き込んで殺し合おうとする神なんて。
どちらも、傍迷惑な存在でしかない。
罰当たりだろうと何だろうと。
世界は神の為ではなく、世界に生きる人間の為にあるのだ。
だから、ベリクリーデ。
お前は存分に、人間として楽しみ、人間として生きろ。
お前には、その権利がある。
「…?ジュリス、どうかした?」
「うん?何でもねぇよ」
「ジュリスもやる?」
「いや、お前がやって良いよ」
「やったー」
本当、無邪気と言うか何と言うか。
俺が、本気でベリクリーデを怒れない理由が、分かるだろう?


