神殺しのクロノスタシス3

「ジュリス、チョコ溶けたよ」

「よし。じゃあ、そこに生クリームを入れるからな」

「うん分かった」

「ちょっと待てコラ!目分量でぶち込もうとするな!」

料理下手あるある。

何でも、目分量で調味しようとする。

これは大変良くない。ベテラン主婦ならともかく、初心者は面倒でも、ちゃんと分量を計れ。

そしたら間違いはないから。

それに。

「生クリームは、小鍋で温めてから入れるんだ」

「そうなの?」

「あぁ。そうしないと、折角溶けたチョコレートが冷えるだろ」

「何だか面倒臭いね」

文句を言うな。お菓子作りってのは、大抵面倒臭い工程が多いもんだ。

何度も言うが、この面倒臭い過程を経てこそ、美味しいものが出来上がるんだ。

小鍋に入れた生クリームを、弱火でじっくり温め。

沸騰寸前になったところを、火から下ろす。

「よし、ベリクリーデ。これを、さっき溶かしたチョコレートに入れるんだ」

「分かったー」

「あぁコラ、ドバっと入れんな!ゆっくり!ちょっとずつ混ぜながら入れろ」

何でも、やり方が豪快過ぎるんだよお前は!

「もー…。ジュリスは我儘が多いなー…」

「…」

殴るぞこの野郎。

ともかく。

「ゴムべらで全体を馴染ませるんだ、ゆっくりな」

「うん」

よし。

ようやく、見れたものになってきたじゃないか。

ここまで来たら、あとは形成して固めるだけ。

「もう出来た?」

「あぁ。ほぼ出来たようなもんだ。あとは丸めて冷やし、」

「いただきまーす」

「ほぼっつっただろうが!まだだよ!そのまま食べようとすんな!」

まだドロドロの状態だろうが!

「じゃあ、あとは何するの?」

何で残念そうな顔してんの。

そんなに早く食べたいのか?

「まずは冷やして固めるんだ。それから丸めて…」

「冷やせば良いんだね?」

「杖を取り出そうとするな馬鹿。冷蔵庫で、冷蔵庫でひやすんだよ」

「…」

「…だから、何で残念そうなんだよ…」

そんなに早く食べたいのか。そうなのか?

固まったらあとは丸めるだけだから、そしたら食べれるよ。





…と、言いたいところだが。