気を取り直して。
製菓用チョコレートの封を開ける。
まな板と包丁を用意して…っと。
「良いか、ベリクリーデ。まずはこのチョコレートを細かく刻んで…」
「もぐもぐ。本当だ。これチョコレートだ。美味しいもぐもぐ」
おい。
ちょっと目を離した隙に、製菓用チョコを摘み食い。
「こら!摘み食いやめろ」
幼稚園児か。
「ごくん。ふぅ。もうこれだけで充分美味しいね。わざわざトリュフにしなくても良いんじゃないかな」
企画倒れ。
人のやる気を削ぐようなことを言うな。ルイーシュじゃないんだから。
「良いから、言うことを聞け。まずチョコを刻むんだ」
「何で?もう美味しいのに、わざわざ刻むなんて…」
「刻んだ方が溶けやすいからだよ!良いから言うことを聞け」
「分かった。じゃあ魔法で粉々に、」
「やめろ」
俺は、杖を取り出そうとするベリクリーデを止めた。
何でも魔法で解決しようとするのは、お前の悪い癖だ。
熱を通すのも凍らすのも、全部魔法でやったって言ってたよな。
俺達魔導師は、どうしても「そんなの魔法でやった方が早い」と思って、魔法を使って解決してしまいがちだが。
本来料理というものは、非魔導師の為のもの。
身体の栄養分を、魔力で補えない者達が行う行為。
故に、魔法なんて使わなくても、料理は出来る。
だからガスコンロや冷蔵庫や包丁、その他様々な調理器具が、この世に生まれたのだ。
そして、そんな文明の利器が、今俺達の前にはある。
それらを無視して、魔法に頼るとは何たることか。
調理器具に対する、酷い侮辱も甚だしい。
たまに、ちょっと使うくらいなら構わないが。
俺の目が黒いうちは、料理でそんな乱暴な魔法な使わせないぞ。
ましてや、こいつの魔法は、大味で大雑把だからな。
チョコを刻めと言ったら、粉微塵に粉砕しかねない。
調理台を、刻みチョコまみれにされちゃ、堪らないからな。
ここは、ちゃんと自分の手でやってもらうぞ。
「魔法を使うのは禁止だ。包丁でやれ」
「え」
「ほれ、包丁持って。手を切るなよ」
「…うー…」
不満そうな顔をするな。
非魔導師の人々は、毎日やってることなんだぞ。
「良いけど私、ぶきっちょだよ?あんまり細かく出来ないよ?」
「なら、ちょっとくらい大きくても良いよ。どうせ溶かすんだし」
大事なのは、魔法を使わず、丁寧に人の手で調理することだ。
すると。
ベリクリーデは、渋々包丁を使い始めたが。
本人が申告するように、やはり不器用なようで。
一片3センチ幅くらいに刻んでいた。
あれはもう、刻むと言うか、普通にざく切りだな。
細かく刻むどころじゃねぇ。
よっぽど、横から口を出したかったが。
嫁の料理に口を出す、うるさい姑みたいにはなりたくないので。
ツッコみたいのを、必死に我慢した。
どうせ溶かすんだから。溶かすんだから良し、と。
自分に言い聞かせながら。
製菓用チョコレートの封を開ける。
まな板と包丁を用意して…っと。
「良いか、ベリクリーデ。まずはこのチョコレートを細かく刻んで…」
「もぐもぐ。本当だ。これチョコレートだ。美味しいもぐもぐ」
おい。
ちょっと目を離した隙に、製菓用チョコを摘み食い。
「こら!摘み食いやめろ」
幼稚園児か。
「ごくん。ふぅ。もうこれだけで充分美味しいね。わざわざトリュフにしなくても良いんじゃないかな」
企画倒れ。
人のやる気を削ぐようなことを言うな。ルイーシュじゃないんだから。
「良いから、言うことを聞け。まずチョコを刻むんだ」
「何で?もう美味しいのに、わざわざ刻むなんて…」
「刻んだ方が溶けやすいからだよ!良いから言うことを聞け」
「分かった。じゃあ魔法で粉々に、」
「やめろ」
俺は、杖を取り出そうとするベリクリーデを止めた。
何でも魔法で解決しようとするのは、お前の悪い癖だ。
熱を通すのも凍らすのも、全部魔法でやったって言ってたよな。
俺達魔導師は、どうしても「そんなの魔法でやった方が早い」と思って、魔法を使って解決してしまいがちだが。
本来料理というものは、非魔導師の為のもの。
身体の栄養分を、魔力で補えない者達が行う行為。
故に、魔法なんて使わなくても、料理は出来る。
だからガスコンロや冷蔵庫や包丁、その他様々な調理器具が、この世に生まれたのだ。
そして、そんな文明の利器が、今俺達の前にはある。
それらを無視して、魔法に頼るとは何たることか。
調理器具に対する、酷い侮辱も甚だしい。
たまに、ちょっと使うくらいなら構わないが。
俺の目が黒いうちは、料理でそんな乱暴な魔法な使わせないぞ。
ましてや、こいつの魔法は、大味で大雑把だからな。
チョコを刻めと言ったら、粉微塵に粉砕しかねない。
調理台を、刻みチョコまみれにされちゃ、堪らないからな。
ここは、ちゃんと自分の手でやってもらうぞ。
「魔法を使うのは禁止だ。包丁でやれ」
「え」
「ほれ、包丁持って。手を切るなよ」
「…うー…」
不満そうな顔をするな。
非魔導師の人々は、毎日やってることなんだぞ。
「良いけど私、ぶきっちょだよ?あんまり細かく出来ないよ?」
「なら、ちょっとくらい大きくても良いよ。どうせ溶かすんだし」
大事なのは、魔法を使わず、丁寧に人の手で調理することだ。
すると。
ベリクリーデは、渋々包丁を使い始めたが。
本人が申告するように、やはり不器用なようで。
一片3センチ幅くらいに刻んでいた。
あれはもう、刻むと言うか、普通にざく切りだな。
細かく刻むどころじゃねぇ。
よっぽど、横から口を出したかったが。
嫁の料理に口を出す、うるさい姑みたいにはなりたくないので。
ツッコみたいのを、必死に我慢した。
どうせ溶かすんだから。溶かすんだから良し、と。
自分に言い聞かせながら。


