そんな訳で。
ベリクリーデを連れて、ショッピングセンターにやって来た。
「わーひろーい。バレーボール出来そうだねここ」
「こら、勝手に走り回るな」
しっかり手綱握っておかないと、すぐどっか行こうとする。
あーハーネス欲しい。
子供用のハーネス。あるだろ?あれ欲しい。あれで繋いでおきたい。
少しでも目を離したら、何をしでかすか分からな、
「おじさん、ブラジャーって何処に売ってるのか知ってる?」
「えっ」
あろうことか。
ベリクリーデは、傍を歩いていた家族連れのお父さんを捕まえて、下着売り場の場所を尋ねていた。
ほら言わんこっちゃねぇ!
お父さん困ってるじゃないか!
「済みません、うちのツレが」
俺はベリクリーデを押し退け、名も知らないお父さんに謝った。
「え、えぇと…」
「気にしないでください。本当。済みませんでした」
困惑するお父さんに一礼し。
これ以上ベリクリーデが余計なことを言う前に、俺はベリクリーデの手を引いて、慌ててその場から離れた。
で、説教。
「馬鹿かお前。知らない人にみだりに話しかけるんじゃねぇ!」
「分かった」
よし。
「さっさと売り場に行くぞ」
「ジュリスは場所知ってるの?」
「フロアマップ見れば分かるだろ」
知らないおっさんに聞こうとするな。地図を見ろ。
人に聞くならせめて、店員さんに聞けよ。
フロアマップを見て、ランジェリーショップの場所を確認。
よし。
「ベリクリーデ、見つけたからあっちに…」
と、振り返ると。
「わー、美味しそー」
「!?」
ベリクリーデは、クレープ屋のショーウィンドウにベタッ、とくっついて。
食品サンプルのクレープを、かぶり付きでじーっと眺めていた。
「え、えぇと…お、お客様。こちらにメニュー表がございますので…」
クレープ屋の店員さんが、困ったような顔で、そっとメニュー表を差し出すも、ガン無視。
食品サンプルに夢中。
あ、の、馬鹿は…!
「済みません、注文は良いです。ありがとうございます」
俺は、ショーウィンドウからベリクリーデを引き剥がし。
困り顔の店員さんに謝って、急いでその場を離れた。
「…おいベリクリーデ。お前、人様に迷惑をかけるなと…」
説教タイム。
「美味しそうだったね、ジュリス。あれ何ていう食べ物なの?」
「クレープだよ」
知らずに見てたのか?
いや、それより。
「クレープって言うんだ。美味しそうだったね」
「それより!良いか、俺の傍を離れるな。知らない人にみだりに話しかけるな。この二つを記憶しろ」
「…?分かった」
「本当に分かったか?復唱してみろ」
「ジュリスの傍を離れない。知らない人に話しかけない」
「よし。約束だからな。分かったな?」
「うん、約束した」
宜しい。
あとは、それをちゃんと守ってくれよ。
ベリクリーデを連れて、ショッピングセンターにやって来た。
「わーひろーい。バレーボール出来そうだねここ」
「こら、勝手に走り回るな」
しっかり手綱握っておかないと、すぐどっか行こうとする。
あーハーネス欲しい。
子供用のハーネス。あるだろ?あれ欲しい。あれで繋いでおきたい。
少しでも目を離したら、何をしでかすか分からな、
「おじさん、ブラジャーって何処に売ってるのか知ってる?」
「えっ」
あろうことか。
ベリクリーデは、傍を歩いていた家族連れのお父さんを捕まえて、下着売り場の場所を尋ねていた。
ほら言わんこっちゃねぇ!
お父さん困ってるじゃないか!
「済みません、うちのツレが」
俺はベリクリーデを押し退け、名も知らないお父さんに謝った。
「え、えぇと…」
「気にしないでください。本当。済みませんでした」
困惑するお父さんに一礼し。
これ以上ベリクリーデが余計なことを言う前に、俺はベリクリーデの手を引いて、慌ててその場から離れた。
で、説教。
「馬鹿かお前。知らない人にみだりに話しかけるんじゃねぇ!」
「分かった」
よし。
「さっさと売り場に行くぞ」
「ジュリスは場所知ってるの?」
「フロアマップ見れば分かるだろ」
知らないおっさんに聞こうとするな。地図を見ろ。
人に聞くならせめて、店員さんに聞けよ。
フロアマップを見て、ランジェリーショップの場所を確認。
よし。
「ベリクリーデ、見つけたからあっちに…」
と、振り返ると。
「わー、美味しそー」
「!?」
ベリクリーデは、クレープ屋のショーウィンドウにベタッ、とくっついて。
食品サンプルのクレープを、かぶり付きでじーっと眺めていた。
「え、えぇと…お、お客様。こちらにメニュー表がございますので…」
クレープ屋の店員さんが、困ったような顔で、そっとメニュー表を差し出すも、ガン無視。
食品サンプルに夢中。
あ、の、馬鹿は…!
「済みません、注文は良いです。ありがとうございます」
俺は、ショーウィンドウからベリクリーデを引き剥がし。
困り顔の店員さんに謝って、急いでその場を離れた。
「…おいベリクリーデ。お前、人様に迷惑をかけるなと…」
説教タイム。
「美味しそうだったね、ジュリス。あれ何ていう食べ物なの?」
「クレープだよ」
知らずに見てたのか?
いや、それより。
「クレープって言うんだ。美味しそうだったね」
「それより!良いか、俺の傍を離れるな。知らない人にみだりに話しかけるな。この二つを記憶しろ」
「…?分かった」
「本当に分かったか?復唱してみろ」
「ジュリスの傍を離れない。知らない人に話しかけない」
「よし。約束だからな。分かったな?」
「うん、約束した」
宜しい。
あとは、それをちゃんと守ってくれよ。


