神殺しのクロノスタシス3

「…実は、この計画には、重大な壁がある」

「ぶふっ」

暗い顔で言うシルナの心を、真っ先に読んだナジュが、噴き出していた。

何だよ。なんか笑えることなのか?

シルナ、めっちゃ沈んだ顔してるが。

「何ですか。別に何の問題もないでしょう。買ってくるだけじゃないですか」

「…それが出来ないの」

「…?」

出来ない?

出来ないって、どういう…。

「皆が私のお財布を空っぽにしちゃったから、用意が出来ないの!募金!募金を募ります!」

シルナが、やけっぱちになって叫んだ。

…あー…。

「何だ、そんなことですか…」

「そんなこと!?大事なことだよ!どうするの私のお小遣い!来月のチョコ買えないよもう!」

イレースは呆れ。

「…ふふっ」

「天音君!?ちょっと、君まで笑うの!?君は味方だと思ってたのに!」

「す、済みません」

天音も、思わず噴き出し。

「自業自得って奴ですよね。いやぁ焼肉美味しかったなぁ〜」

「うわぁぁぁんナジュ君が虐める〜っ!!」

ナジュは、容赦なくトラウマを想起させる。

…やれやれ。

「分かった分かった。出してやるよ」

シルナの為、だけではなく。

元暗殺者二人組の為だからな。

「羽久…ありがとう…」

そんな涙目になって言うことか?

「まぁ、そのくらいなら必要経費でしょう」

財布の紐が堅いことで定評のあるイレースも、今回ばかりは出費を許可。

「僕も、必要なら…」

天音は元々優しいので、募金に賛成。

「僕も元々優しいので、融資してあげますよ」

「…ナジュ…」

散々シルナを陰湿にイビっておきながら、自分を優しいと?

どの口が言ってんだ、って感じだが。

とにかく、これで資金集めは済んだな。

あとは品物を買いに行くだけ。

この季節だから、何処にでも売っているだろう。

買い出しが済んだら、あとは。





夜になるのを待って、令月とすぐりを呼び出すだけだ。