――――――…ナジュせんせーとの、再三に渡る負け戦で、気づいたことがある。
俺達はずっと、ナジュせんせーのフィールドで戦ってた。
と言うか、あの意地悪なナジュせんせーに、そうなるよう仕向けられていた。
具体的に言うと、読心魔法で攻撃全部読まれてるという、チート的なフィールドで戦わされてた、って訳だ。
それは仕方ない。そういう訓練だから。
つまり俺達は、その鉄壁の「ナジュせんせー読心魔法フィールド」の中で戦わなければならない。
しかし、何度も何度も、この稽古場の床に這いつくばらされ、ナジュせんせーに嘲笑われて。
俺は当然苛ついてたし、あの『八千代』でさえ、そろそろムカついてきた頃。
俺達は、気づいたのだ。
何で俺達は、「ナジュせんせー読心魔法フィールド」の中で戦わなければならないのか。
確かに、そうなるよう仕向けられてはいたけれど。
別に、律儀に従ってやる必要はない。
ナジュせんせーが、ナジュせんせーフィールドを作るなら。
俺達は、そのフィールドの外に出ても良いのでは?
それどころか。
ナジュせんせーフィールドに代わる、「『八千代』&『八千歳』フィールド」を作り出して。
むしろ、相手をその中で戦わせたら。
それって、俺達にとって、凄く有利なんじゃないかって。
二人で話し合い、まずは何とかナジュせんせーを、この新しい戦法の餌食にし。
確実にそれが物になったら、今度こそ打倒学院長。
そう話し合って、その為の訓練を始めて、僅か一週間ほど。
ナジュせんせーに試す前に、まずは。
互いの古巣にいた元同胞達に、試させてもらおう。
この戦法が通用するか試す、良い機会だ。
だから。
「『八千代』!」
『八千代』を呼ぶと、彼は一瞬だけこちらを向いた。
俺は指文字を作って、『八千代』に見せた。
一瞥しただけだが、これで充分伝わってるはずだ。
『八千代』が指文字を確認した後。
俺は、第一稽古場の天井近くまで浮上し。
同時に両手から、可能な限りの大量の糸を放出した。
目眩ましと、『八千代』の足場作りを兼ねている。
おいおい、こんなことしたら『八千代』がまた、足を滑らせてすっ転ぶんじゃないか、と思っただろう?
大丈夫だ。
この問題については、『八千代』が俺の糸を判別出来るようになるまでの、対応策として。
糸に、色を付けることにした。
しかし、全ての糸に同じ色をつけたら、『八千代』どころか、敵にもバレバレなので。
カラフルに、レインボーカラーで、あらゆる糸にあらゆる色をつけた。
そして、事前にどの糸を、どの順番に踏めば良いか、符牒を決めておいた。
「赤→青→黄→紫→黒…」みたいに。
だが、毎回同じパターンだったら、長期戦になったとき、敵に気づかれる恐れがある。
だから、別の配色パターンも決めておいた。
そのときどのパターンで動くかは、先程の指文字で決める。
俺の糸の区別は、なかなかつかない癖に。
こういう暗号や符牒、フォーメーションについては、一回伝えただけで、あっさり覚えるからなー。『八千代』って。
むしろ、俺の方が覚えるのにちょっと苦労したよ。
さて、それはともかく。
『八千代』は、俺の糸の間を縦横無尽に駆け抜け。
俺を狙おうとしていた、女暗殺者の相手をしていた。
同時に、もう一人の槍使いの相手も。
だが、さすがの『八千代』でも、『終日組』の暗殺者二人の猛攻を、一人では受け切れまい。
故に、俺は両手で糸を放出しながら、黒いワイヤーを自在に操り、『八千代』の背中を守った。
『八千代』は、一切背後からの攻撃を気にしている様子はない。
全部、俺が防いでくれると信じている証だ。
…まーったく。
どーして、俺みたいな奴を、そんな簡単に信じられるかなぁ。
本当に、どうかしてるよ。
「…そんな奴を、同じように信じてる俺も、どうかしてるけどね」
さぁ、準備は整った。
そろそろ、終わりにしようか。
俺達はずっと、ナジュせんせーのフィールドで戦ってた。
と言うか、あの意地悪なナジュせんせーに、そうなるよう仕向けられていた。
具体的に言うと、読心魔法で攻撃全部読まれてるという、チート的なフィールドで戦わされてた、って訳だ。
それは仕方ない。そういう訓練だから。
つまり俺達は、その鉄壁の「ナジュせんせー読心魔法フィールド」の中で戦わなければならない。
しかし、何度も何度も、この稽古場の床に這いつくばらされ、ナジュせんせーに嘲笑われて。
俺は当然苛ついてたし、あの『八千代』でさえ、そろそろムカついてきた頃。
俺達は、気づいたのだ。
何で俺達は、「ナジュせんせー読心魔法フィールド」の中で戦わなければならないのか。
確かに、そうなるよう仕向けられてはいたけれど。
別に、律儀に従ってやる必要はない。
ナジュせんせーが、ナジュせんせーフィールドを作るなら。
俺達は、そのフィールドの外に出ても良いのでは?
それどころか。
ナジュせんせーフィールドに代わる、「『八千代』&『八千歳』フィールド」を作り出して。
むしろ、相手をその中で戦わせたら。
それって、俺達にとって、凄く有利なんじゃないかって。
二人で話し合い、まずは何とかナジュせんせーを、この新しい戦法の餌食にし。
確実にそれが物になったら、今度こそ打倒学院長。
そう話し合って、その為の訓練を始めて、僅か一週間ほど。
ナジュせんせーに試す前に、まずは。
互いの古巣にいた元同胞達に、試させてもらおう。
この戦法が通用するか試す、良い機会だ。
だから。
「『八千代』!」
『八千代』を呼ぶと、彼は一瞬だけこちらを向いた。
俺は指文字を作って、『八千代』に見せた。
一瞥しただけだが、これで充分伝わってるはずだ。
『八千代』が指文字を確認した後。
俺は、第一稽古場の天井近くまで浮上し。
同時に両手から、可能な限りの大量の糸を放出した。
目眩ましと、『八千代』の足場作りを兼ねている。
おいおい、こんなことしたら『八千代』がまた、足を滑らせてすっ転ぶんじゃないか、と思っただろう?
大丈夫だ。
この問題については、『八千代』が俺の糸を判別出来るようになるまでの、対応策として。
糸に、色を付けることにした。
しかし、全ての糸に同じ色をつけたら、『八千代』どころか、敵にもバレバレなので。
カラフルに、レインボーカラーで、あらゆる糸にあらゆる色をつけた。
そして、事前にどの糸を、どの順番に踏めば良いか、符牒を決めておいた。
「赤→青→黄→紫→黒…」みたいに。
だが、毎回同じパターンだったら、長期戦になったとき、敵に気づかれる恐れがある。
だから、別の配色パターンも決めておいた。
そのときどのパターンで動くかは、先程の指文字で決める。
俺の糸の区別は、なかなかつかない癖に。
こういう暗号や符牒、フォーメーションについては、一回伝えただけで、あっさり覚えるからなー。『八千代』って。
むしろ、俺の方が覚えるのにちょっと苦労したよ。
さて、それはともかく。
『八千代』は、俺の糸の間を縦横無尽に駆け抜け。
俺を狙おうとしていた、女暗殺者の相手をしていた。
同時に、もう一人の槍使いの相手も。
だが、さすがの『八千代』でも、『終日組』の暗殺者二人の猛攻を、一人では受け切れまい。
故に、俺は両手で糸を放出しながら、黒いワイヤーを自在に操り、『八千代』の背中を守った。
『八千代』は、一切背後からの攻撃を気にしている様子はない。
全部、俺が防いでくれると信じている証だ。
…まーったく。
どーして、俺みたいな奴を、そんな簡単に信じられるかなぁ。
本当に、どうかしてるよ。
「…そんな奴を、同じように信じてる俺も、どうかしてるけどね」
さぁ、準備は整った。
そろそろ、終わりにしようか。


