「あなたが、『アメノミコト』の刺客ですか」
恐らく、ヴァルシーナとレーヴァテインは、学院長達を呼び出した中庭に行ったのだろうから。
私が食堂に呼び出されたのは、何らかの罠に嵌める為か。
あるいは、『アメノミコト』の刺客と戦わされるか。
そのどちらかだろうと思っていたんですが。
どうやら、後者のようですね。
「学院は今、夏休みの最中なので。さっさとお引取り願えませんかね」
厄介事は御免だ。
大体、私はこの夏休み、やるべき仕事がたくさんあり。
特に、学院運営の来年度予算案から、学院長の菓子代引き下げを目論んでいたのに。
こんなに立て続けに色々起こったんじゃ、それどころじゃない。
面倒だから、減額じゃなくて、いっそ削除しようか。
「…そういう訳にはいかないの」
ゆらり、と。
黒装束の女が立ち上がった。
「私の仕事は、お前を殺すこと。お前を殺して、頭領様に報告する。それが私の仕事」
あぁ、それはそれは。
ご大層な任務ですこと。
「でもあなた、失礼ですけど」
私は、黒装束の女を指差した。
「今ここにいる時点で、その頭領様とやらからは捨て駒扱いされてるんじゃないんですか?」
ヴァルシーナなんかに与える戦力が、鬼頭夜陰の本命であるはずがない。
きっとすぐりさんと同じく、鬼頭に「役立たず」認定された暗殺者なのだろう。
一度、役立たずの烙印を押された時点で。
今更どんな功績を立てようが、その烙印を消すことは出来ない。
鬼頭に認められることはない。
捨て駒は、所詮捨て駒でしかない。
それが『アメノミコト』の流儀のようだから。
しかし。
「頭領様が私のことを、どう思っていようが関係ない」
…そうですか。
「私は、私の任務を遂行するまで」
「…どうやら、分かり合えなさそうですね」
宜しい。
あなたは、あなたの任務を果たす。
しかし私は、その任務を果たされてしまうと困る。
まだ、死ぬ訳にはいきませんからね。
だから。
「良いですよ、分かりました」
交渉は、決裂した。
そちらが、その気なら。
私も、その気で戦うとしよう。
私は、杖を握り締めた。
その杖の先からは、既に雷が迸っていた。
…学院内で戦うのは、非常に不本意なのですが。
ここから出たら、人質にされた天音さんがどうなるか分からない。
故に。
「可及的速やかに…かつ美しく、死んで頂きましょうか」
恐らく、ヴァルシーナとレーヴァテインは、学院長達を呼び出した中庭に行ったのだろうから。
私が食堂に呼び出されたのは、何らかの罠に嵌める為か。
あるいは、『アメノミコト』の刺客と戦わされるか。
そのどちらかだろうと思っていたんですが。
どうやら、後者のようですね。
「学院は今、夏休みの最中なので。さっさとお引取り願えませんかね」
厄介事は御免だ。
大体、私はこの夏休み、やるべき仕事がたくさんあり。
特に、学院運営の来年度予算案から、学院長の菓子代引き下げを目論んでいたのに。
こんなに立て続けに色々起こったんじゃ、それどころじゃない。
面倒だから、減額じゃなくて、いっそ削除しようか。
「…そういう訳にはいかないの」
ゆらり、と。
黒装束の女が立ち上がった。
「私の仕事は、お前を殺すこと。お前を殺して、頭領様に報告する。それが私の仕事」
あぁ、それはそれは。
ご大層な任務ですこと。
「でもあなた、失礼ですけど」
私は、黒装束の女を指差した。
「今ここにいる時点で、その頭領様とやらからは捨て駒扱いされてるんじゃないんですか?」
ヴァルシーナなんかに与える戦力が、鬼頭夜陰の本命であるはずがない。
きっとすぐりさんと同じく、鬼頭に「役立たず」認定された暗殺者なのだろう。
一度、役立たずの烙印を押された時点で。
今更どんな功績を立てようが、その烙印を消すことは出来ない。
鬼頭に認められることはない。
捨て駒は、所詮捨て駒でしかない。
それが『アメノミコト』の流儀のようだから。
しかし。
「頭領様が私のことを、どう思っていようが関係ない」
…そうですか。
「私は、私の任務を遂行するまで」
「…どうやら、分かり合えなさそうですね」
宜しい。
あなたは、あなたの任務を果たす。
しかし私は、その任務を果たされてしまうと困る。
まだ、死ぬ訳にはいきませんからね。
だから。
「良いですよ、分かりました」
交渉は、決裂した。
そちらが、その気なら。
私も、その気で戦うとしよう。
私は、杖を握り締めた。
その杖の先からは、既に雷が迸っていた。
…学院内で戦うのは、非常に不本意なのですが。
ここから出たら、人質にされた天音さんがどうなるか分からない。
故に。
「可及的速やかに…かつ美しく、死んで頂きましょうか」


