神殺しのクロノスタシス3

結局。
 
シュニィとも色々、押し問答した結果。

一応、シルナの計画を呑むけれど。

もし何か不測の事態が起きれば。

こちらの予測に反して、『アメノミコト』が大挙して攻め込んでくるようなことがあれば。

すぐにでも、聖魔騎士団に応援を呼ぶことを条件に、シュニィは引き下がった。

シュニィ達も、要請があればすぐにでも駆けつけられはよう、手筈を整えておくから、と。

何とも心強いお言葉。

これ以上は絶対譲らない、というシュニィの、真摯な眼差しに。

さすがのシルナも、その条件を呑んで、現在に至る。
 
俺達は互いに監視し合い、ヴァルシーナの洗脳魔法にかからないようにしていた。

で、全員集まっててもやることがないので。

とりあえず、ポーカーでもやろうか、って話になった。

しかも、ただのポーカーじゃつまんないから。

10回負けた人が、焼肉奢ることにした。

一応、令月とすぐりは例外だ。

二人は子供だし、ポーカー初心者だし。

まぁ、初心者とは思えないほど強いんだが。

とりあえずシルナが弱過ぎるので、俺が焼肉奢らされることはないな。

と、こんな風にのどかに過ごしているが。

本当にこんな調子で大丈夫なのか?という疑問が。

頭の隅っこにある。

多分、皆同じ気持ちだろう。

その不安を抑え込む為に、ポーカーで誤魔化しているんだろう。

シルナだって。

自分の作戦に自信を持ってはいたけど。

本当に大丈夫だって、確信は持ててないはずだ。

そもそもヴァルシーナが洗脳魔法を使える限り、既にここにいる誰かが、洗脳状態にあるのかもしれない。

その危険は、常に抱えているのだ。

それなのに、涼しい顔をして過ごしている。

自分が狼狽えていれば、皆が不安になると思って。

わざと強がってるんだ、あの馬鹿。

そういうポーカーフェイスは上手くて、本当のポーカーでは負けまくってるんだから、皮肉だよな。

「はい、じゃあ交換は済みましたね?では手札の開示を…」

「ちょっと待って。ちょっと待ってまだ心の準備が、」

青い顔のシルナ。

さては、またブタだな?

ちなみに俺、クイーンのワンペア。

「はい、ショウダ…」

「待ってー!私の心の準備!」

「あなたの場合、その手札なら、心の準備より財布の準備が先では?」

「嫌ぁぁぁぁぁ!」

やっぱブタなんだ。

ご愁傷様、ってか焼肉ご馳走様。

「では改めて、ショウダウン…」

ナジュが宣言した、

そのときだった。







凄まじい音がして、学院長室の窓ガラスが割れた。