ジュリスは、俺のアイコンタクトを受け。

やれやれ、みたいな顔をして。

そして、言ってくれた。

「あのなぁ、もう四の五の言うなよ」

「ジュリス君…」

「ここにいる全員、俺も、聖魔騎士団の連中も含めて、あんたのその『誤った選択』とやらに乗ったんだ。託したんだよ、あんたに、命を」

…そうだ。

それがどんなに、間違った選択だとしても。

その選択をしたシルナを、俺達が選択したのだ。

間違ったシルナに、俺達もまたついていこうと。

間違った道を、共に生きていこうと。

命を懸けて。

今更そのことに、何の後悔があるだろう。

「だったらあんたは、もう胸を張って言えば良い。俺達に頼めば良いんだよ」

「頼む…?」

「『私についてきて欲しい。協力してくれ』ってな」

…よく言った。

よく言ったぞ、ジュリス。

お前がこの場にいてくれて、本当に良かった。

「…分かった」

シルナは、静かに呟いた。

決意を宿した目をしていた。

「…皆、お願い。私に協力して欲しい。間違った選択をした私の為に…力を貸して欲しい」

…そうだ。

お前は、それで良い。

「当たり前だ、馬鹿」

「愚問ですね、いちいち言うまでもないことです」

「僕もヴァルシーナに謀られて、ムカついてたところですし。復讐には丁度良いですね」

「僕も…。回復魔法くらいしか役に立てないけど、僕に出来ることなら、何でも」

「僕達が組んでから、初めての任務だ。頑張ろうね、『八千歳』」

「ターゲットの暗殺なんて、俺達のジョブじゃん。らくしょーらくしょー」

「俺も、聖魔騎士団の連中に応援を仰いでおく。シュニィに事情を話せば、手を貸してくれるはずだ」

…ここにいるのは、全員お前の仲間だ、味方だ、シルナ。

だから、何も心配は要らない。

「皆…ありがとう」

…本当、馬鹿シルナ。

こんなことくらいで、涙目になってんじゃねーよ。