「…」
一同が、しばししんと静まり返った。
…最初に口を開いたのは、イレースちゃんだった。
「…成程。読心魔法も大概ですが、洗脳魔法ですか…。面倒ですね」
「えー。ちょっとちょっと。僕の純真無垢な読心魔法と、ヴァルシーナの卑劣な洗脳魔法を、同列に語らないでもらえます?」
「ちょっと聞こえませんでしたね。何が純真無垢ですって?」
…辛辣。
とはいえ。
最初にナジュ君の読心魔法を聞いたときも、驚いたものだが。
洗脳魔法も、同じだけのインパクトがあるのは共通してるね。
でも、多分間違いないだろう。
「そういう研究…されてたんですか?イーニシュフェルトの里で…」
おずおずといった風に尋ねる天音君。
「してたよ」
洗脳魔法だけじゃない。
あの場所では、ありとあらゆる魔法の研究をしていた。
何せ、イーニシュフェルトの里は、世界の魔法の最先端を行っていたのだ。
その中に、洗脳魔法も含まれていた記憶がある。
「じゃあ、学院長にも使えるの?その洗脳魔法」
「いや、私自身は試したことがないね…」
そういう、今なら要注意魔法区分に分類されるような、悪用の可能性が高い魔法については。
主に、年嵩の賢者達が研究していた。
私は、精々「そういう研究をしている」と耳にした程度。
使い方なんて知らないし、使ってみたこともない。
ただ…。
ヴァルシーナちゃんは、族長の孫娘だった。
何らかの経緯で、危険な魔法の研究資料について、触れていてもおかしくはない。
そもそも、あの里にいたという時点で。
どんな魔法を知っていたとしても、おかしくはない。
「…ねぇ、もしほんとに洗脳魔法ってのをヴァルシーナが使ってるんなら、ここにいる、ナジュせんせー以外の全員が危なくない?」
と、すぐり君。
「え、ど、どういう…」
「鈍いね天音せんせー。俺達皆、ヴァルシーナに会ってるんだよ?あのとき、知らないうちに洗脳魔法使われてたら、どーするのさ?」
「…!」
…その危険は、確かにあるね。
「羽久せんせーのこれまでの様子を見るに、どうやら、洗脳魔法を使われても本人に自覚はないみたいだし」
「そりゃそうだろ。洗脳されてる奴は、誰も『自分が洗脳されてる』とは思わない」
「だとしたら、私達のうち誰かの目を通して、今こうして話してることも筒抜けかもしれませんね」
それは恐ろしい。
しかし、その可能性はある。
「あなたの読心魔法で分からないんですか?誰が洗脳状態にあるか」
ナジュ君に尋ねるイレースちゃん。
読心魔法で見分けがつけば良いのだが、ヴァルシーナちゃんはこちらにナジュ君がいるのを知ってる訳で。
だから、恐らく…。
「無理ですね。僕はあくまで、本人が考えてることしか分かりません。皆して『自分は洗脳なんかされてない』と思い込んでるんだから、本当に洗脳されてるのか否かなんて、僕にも見抜けません」
…だよね。
ナジュ君の読心魔法で打ち破れるなら、ヴァルシーナちゃんだって、そんな半端な洗脳魔法なんて使わない。
洗脳する意味がない。
「全く。肝心なときに使えませんね、あなたの読心魔法は…」
「こらこら、イレースちゃん…」
ナジュ君が悪いんじゃなくて、ヴァルシーナちゃんがそれ相応の対策をしてきた。それだけの話だよ。
一同が、しばししんと静まり返った。
…最初に口を開いたのは、イレースちゃんだった。
「…成程。読心魔法も大概ですが、洗脳魔法ですか…。面倒ですね」
「えー。ちょっとちょっと。僕の純真無垢な読心魔法と、ヴァルシーナの卑劣な洗脳魔法を、同列に語らないでもらえます?」
「ちょっと聞こえませんでしたね。何が純真無垢ですって?」
…辛辣。
とはいえ。
最初にナジュ君の読心魔法を聞いたときも、驚いたものだが。
洗脳魔法も、同じだけのインパクトがあるのは共通してるね。
でも、多分間違いないだろう。
「そういう研究…されてたんですか?イーニシュフェルトの里で…」
おずおずといった風に尋ねる天音君。
「してたよ」
洗脳魔法だけじゃない。
あの場所では、ありとあらゆる魔法の研究をしていた。
何せ、イーニシュフェルトの里は、世界の魔法の最先端を行っていたのだ。
その中に、洗脳魔法も含まれていた記憶がある。
「じゃあ、学院長にも使えるの?その洗脳魔法」
「いや、私自身は試したことがないね…」
そういう、今なら要注意魔法区分に分類されるような、悪用の可能性が高い魔法については。
主に、年嵩の賢者達が研究していた。
私は、精々「そういう研究をしている」と耳にした程度。
使い方なんて知らないし、使ってみたこともない。
ただ…。
ヴァルシーナちゃんは、族長の孫娘だった。
何らかの経緯で、危険な魔法の研究資料について、触れていてもおかしくはない。
そもそも、あの里にいたという時点で。
どんな魔法を知っていたとしても、おかしくはない。
「…ねぇ、もしほんとに洗脳魔法ってのをヴァルシーナが使ってるんなら、ここにいる、ナジュせんせー以外の全員が危なくない?」
と、すぐり君。
「え、ど、どういう…」
「鈍いね天音せんせー。俺達皆、ヴァルシーナに会ってるんだよ?あのとき、知らないうちに洗脳魔法使われてたら、どーするのさ?」
「…!」
…その危険は、確かにあるね。
「羽久せんせーのこれまでの様子を見るに、どうやら、洗脳魔法を使われても本人に自覚はないみたいだし」
「そりゃそうだろ。洗脳されてる奴は、誰も『自分が洗脳されてる』とは思わない」
「だとしたら、私達のうち誰かの目を通して、今こうして話してることも筒抜けかもしれませんね」
それは恐ろしい。
しかし、その可能性はある。
「あなたの読心魔法で分からないんですか?誰が洗脳状態にあるか」
ナジュ君に尋ねるイレースちゃん。
読心魔法で見分けがつけば良いのだが、ヴァルシーナちゃんはこちらにナジュ君がいるのを知ってる訳で。
だから、恐らく…。
「無理ですね。僕はあくまで、本人が考えてることしか分かりません。皆して『自分は洗脳なんかされてない』と思い込んでるんだから、本当に洗脳されてるのか否かなんて、僕にも見抜けません」
…だよね。
ナジュ君の読心魔法で打ち破れるなら、ヴァルシーナちゃんだって、そんな半端な洗脳魔法なんて使わない。
洗脳する意味がない。
「全く。肝心なときに使えませんね、あなたの読心魔法は…」
「こらこら、イレースちゃん…」
ナジュ君が悪いんじゃなくて、ヴァルシーナちゃんがそれ相応の対策をしてきた。それだけの話だよ。


