「…これは」
まず口を開いたのは、イレースちゃんだった。
「一体…何事ですか」
…本当にね。
この場にいる、誰もが思ってるに違いない。
私でさえ思ってるくらいなんだから。
けれど。
事態を把握し、共有するより先に。
確かめなければならないことがある。
「天音君とナジュ君の無事を、確かめないと」
この場にいない、彼ら二人の安否を確かめないことには…と。
思っていると。
「大丈夫ですか?」
「天音君…!」
つい今しがた、安否を確かめに行こうとしていた二人のうち一人が、自分から学院長室にやって来てくれた。
「良かった…!君は無事なんだね?」
「え、ぶ、無事って…?やっぱり、何かあったんですか?」
やっぱり?
「医務室にいたら、騒がしい…戦闘音みたいな音が聞こえたから、駆けつけたんですけど…」
「そうだったんだ…」
良かった。
どうやらレーヴァテインもヴァルシーナちゃんも、天音君には手を出さなかったみたいだ。
そして、もう一人。
「…事情は後で話す。とにかく…ナジュ君の部屋に行こう」
「ナジュさんの…?」
天音君に事情を説明してあげたいところだが、今はそんな暇はない。
それから。
「ジュリス君」
「何だ?」
「助けに来てもらって早々、悪いんだけど…。羽久を、見ててもらえるかな」
「…そりゃ大役だな」
そうだね。
私達がナジュ君の無事を確かめに行っている間に、もし羽久が目を覚ましたら。
いや、羽久なら良い。まともに言葉が通じる。
だが、もし目を覚ましたのが、二十音だったら。
傍に私がいないと知ったとき、あの子がどうするか。どうなるか。
それを考えたら、この場を任せられるのは、ジュリス君をおいて他にいない。
「お願い、上手く宥めて。出来るだけすぐに戻るから」
「下手したら、俺はお陀仏だな」
「ごめん…。でも、君にしか…」
私に負けず劣らずの熟練した魔導師で、二十音のような…未熟な精神をした子供の扱いも、知っている。
下手に刺激すれば、二十音は誰彼構わず虐殺してしまうだろう。
だから…。
「分かったよ。早く行ってこい。こいつは俺が面倒見る」
「ジュリス君…!」
「良いから、早く行け。生憎、毎日相手してるもんで『子供』の扱いは慣れててね。あんたが戻ってくるまでの、時間稼ぎくらいはしてやれる」
『子供』だって。ベリクリーデちゃん。
本人に言っても、自覚ないだろうなぁ。
ともかく。
「…お願いね」
「あぁ、任せろ」
ジュリス君に、眠っている羽久を任せ。
私達は、ナジュ君の部屋に向かった。
まず口を開いたのは、イレースちゃんだった。
「一体…何事ですか」
…本当にね。
この場にいる、誰もが思ってるに違いない。
私でさえ思ってるくらいなんだから。
けれど。
事態を把握し、共有するより先に。
確かめなければならないことがある。
「天音君とナジュ君の無事を、確かめないと」
この場にいない、彼ら二人の安否を確かめないことには…と。
思っていると。
「大丈夫ですか?」
「天音君…!」
つい今しがた、安否を確かめに行こうとしていた二人のうち一人が、自分から学院長室にやって来てくれた。
「良かった…!君は無事なんだね?」
「え、ぶ、無事って…?やっぱり、何かあったんですか?」
やっぱり?
「医務室にいたら、騒がしい…戦闘音みたいな音が聞こえたから、駆けつけたんですけど…」
「そうだったんだ…」
良かった。
どうやらレーヴァテインもヴァルシーナちゃんも、天音君には手を出さなかったみたいだ。
そして、もう一人。
「…事情は後で話す。とにかく…ナジュ君の部屋に行こう」
「ナジュさんの…?」
天音君に事情を説明してあげたいところだが、今はそんな暇はない。
それから。
「ジュリス君」
「何だ?」
「助けに来てもらって早々、悪いんだけど…。羽久を、見ててもらえるかな」
「…そりゃ大役だな」
そうだね。
私達がナジュ君の無事を確かめに行っている間に、もし羽久が目を覚ましたら。
いや、羽久なら良い。まともに言葉が通じる。
だが、もし目を覚ましたのが、二十音だったら。
傍に私がいないと知ったとき、あの子がどうするか。どうなるか。
それを考えたら、この場を任せられるのは、ジュリス君をおいて他にいない。
「お願い、上手く宥めて。出来るだけすぐに戻るから」
「下手したら、俺はお陀仏だな」
「ごめん…。でも、君にしか…」
私に負けず劣らずの熟練した魔導師で、二十音のような…未熟な精神をした子供の扱いも、知っている。
下手に刺激すれば、二十音は誰彼構わず虐殺してしまうだろう。
だから…。
「分かったよ。早く行ってこい。こいつは俺が面倒見る」
「ジュリス君…!」
「良いから、早く行け。生憎、毎日相手してるもんで『子供』の扱いは慣れててね。あんたが戻ってくるまでの、時間稼ぎくらいはしてやれる」
『子供』だって。ベリクリーデちゃん。
本人に言っても、自覚ないだろうなぁ。
ともかく。
「…お願いね」
「あぁ、任せろ」
ジュリス君に、眠っている羽久を任せ。
私達は、ナジュ君の部屋に向かった。


