「あー、まぁ…ねぇ…うん」
腕を組み、言葉に詰まるキュレム。
つまり、さっきルイーシュがハッキリ言ったことは、事実なのだ。
「キュレム。この際だから、ハッキリ言ってくれ」
「んー…。まぁ、あんまり出鼻挫くようなことは言いたくないんだが…」
「構わないよ。むしろ、ハッキリ言ってくれた方が助かる」
変に、言葉を取り繕われてもな。
それくらいなら、ハッキリ言ってくれた方が良い。
すると。
「…分かった。じゃあ言うけど」
「あぁ」
「教えることは出来る。ただ、教えたからって身につくとは限らないし、そもそもこればっかりは、教えられて身につけるものじゃない」
…ハッキリ言ってくれ、と頼んだときから覚悟はしていたが。
結構、辛辣な答えが返ってきた。
「俺とルイーシュを考えてみなよ。元々は、余り者同士の即席ペアだっただろ?」
…そういや、そうだったな。
ルイーシュはイーニシュフェルト魔導学院に在学中の頃から、この性格で。
年に2回行われる、例の魔導大会でペアを組みたいと思う生徒はいなかった。
一方のキュレムは、あの頃はまだ魔弾使いではなく、学院内では落ちこぼれ扱いされていた。
そんな訳で、バーゲンセールで売れ残った二人の生徒…キュレムとルイーシュ…が、余り者同士、くっつくことになり。
それが意外に、上手いこと型に嵌ったものだから。
未だに、こうして一緒にいる。
「俺達は、お互いよく知らない間柄でペアになったけど…。その、今お宅らが組ませたいって言ってる生徒達は、元々面倒臭い因縁を持ってて、犬猿の仲だったんだろ?」
「まぁ…そうだな」
犬猿の仲って言うか…。
すぐりの方が、一方的に令月を嫌ってたんだけどな。
「そんな二人が、いきなり今日から一緒に戦いますって言って、お互いに背中を合わせられると思う?」
「…でも、ほぼ初対面だったお前達とは違って、あいつらはお互いの手の内を知り合ってる。その点、やりやすいんじやないのか?」
「さて、どうかね…。手の内を知ってることも大事だけど、俺に言わせれば、呼吸を合わせることの方がずっと大事だよ」
…呼吸…。
「お互いどれだけ強い武器を持ってても、呼吸が合ってなきゃ話にならない。さっき言ってたじゃん、足の引っ張り合いになってるって」
「…あぁ、なってる」
ナジュ一人に、良いように翻弄されるくらいには。
「つまり、お互いの手の内を知ってても意味ないんだよ。呼吸が合ってないから。要するにまぁ…お互いを信頼してないってことだな」
信頼。
信頼…か。
「信頼…し合ってるように見えるけどな」
「言っとくけど、普段の関係で考えちゃ駄目だぞ。いくら普段仲良しでも、戦いの場じゃ別だ。俺だって、戦場ではルイーシュを100パー信用してるけど、普段の生活については、全然信用してない。見てみろこれを」
キュレムの指差す先で、ルイーシュはキュレムのケーキの上に乗ったフルーツを、勝手に摘まみ食いしていた。
…うん。
これは信用出来ないな。
「そして呼吸を合わせるってことは、教えて身につくものじゃない。経験と慣れ。これがないと無理。二人で何度も訓練を経験しまくって、お互いの戦い方に慣れて、実戦での信頼を積まなきゃ」
「…そうか…」
俺が思っている以上に、二人で戦うのは難しい、ってことか。
今のところあいつら、連帯感ゼロだからな。
それはどちらが悪いという訳ではなく、ただ経験不足だから。
そして、まだお互いを信頼しきれていないから…。
無意識に、心の中にあるのだ。
「本当に、この人は自分の背中を守りきってくれるのだろうか?」という疑問が。
…難しいな。
ついこの間まで、殺し合う仲だったのだから。
仕方ないと言えば、仕方ないのだが…。
「…って、まぁここでうだうだ喋ってても仕方ないな」
そう言って、キュレムが立ち上がった。
腕を組み、言葉に詰まるキュレム。
つまり、さっきルイーシュがハッキリ言ったことは、事実なのだ。
「キュレム。この際だから、ハッキリ言ってくれ」
「んー…。まぁ、あんまり出鼻挫くようなことは言いたくないんだが…」
「構わないよ。むしろ、ハッキリ言ってくれた方が助かる」
変に、言葉を取り繕われてもな。
それくらいなら、ハッキリ言ってくれた方が良い。
すると。
「…分かった。じゃあ言うけど」
「あぁ」
「教えることは出来る。ただ、教えたからって身につくとは限らないし、そもそもこればっかりは、教えられて身につけるものじゃない」
…ハッキリ言ってくれ、と頼んだときから覚悟はしていたが。
結構、辛辣な答えが返ってきた。
「俺とルイーシュを考えてみなよ。元々は、余り者同士の即席ペアだっただろ?」
…そういや、そうだったな。
ルイーシュはイーニシュフェルト魔導学院に在学中の頃から、この性格で。
年に2回行われる、例の魔導大会でペアを組みたいと思う生徒はいなかった。
一方のキュレムは、あの頃はまだ魔弾使いではなく、学院内では落ちこぼれ扱いされていた。
そんな訳で、バーゲンセールで売れ残った二人の生徒…キュレムとルイーシュ…が、余り者同士、くっつくことになり。
それが意外に、上手いこと型に嵌ったものだから。
未だに、こうして一緒にいる。
「俺達は、お互いよく知らない間柄でペアになったけど…。その、今お宅らが組ませたいって言ってる生徒達は、元々面倒臭い因縁を持ってて、犬猿の仲だったんだろ?」
「まぁ…そうだな」
犬猿の仲って言うか…。
すぐりの方が、一方的に令月を嫌ってたんだけどな。
「そんな二人が、いきなり今日から一緒に戦いますって言って、お互いに背中を合わせられると思う?」
「…でも、ほぼ初対面だったお前達とは違って、あいつらはお互いの手の内を知り合ってる。その点、やりやすいんじやないのか?」
「さて、どうかね…。手の内を知ってることも大事だけど、俺に言わせれば、呼吸を合わせることの方がずっと大事だよ」
…呼吸…。
「お互いどれだけ強い武器を持ってても、呼吸が合ってなきゃ話にならない。さっき言ってたじゃん、足の引っ張り合いになってるって」
「…あぁ、なってる」
ナジュ一人に、良いように翻弄されるくらいには。
「つまり、お互いの手の内を知ってても意味ないんだよ。呼吸が合ってないから。要するにまぁ…お互いを信頼してないってことだな」
信頼。
信頼…か。
「信頼…し合ってるように見えるけどな」
「言っとくけど、普段の関係で考えちゃ駄目だぞ。いくら普段仲良しでも、戦いの場じゃ別だ。俺だって、戦場ではルイーシュを100パー信用してるけど、普段の生活については、全然信用してない。見てみろこれを」
キュレムの指差す先で、ルイーシュはキュレムのケーキの上に乗ったフルーツを、勝手に摘まみ食いしていた。
…うん。
これは信用出来ないな。
「そして呼吸を合わせるってことは、教えて身につくものじゃない。経験と慣れ。これがないと無理。二人で何度も訓練を経験しまくって、お互いの戦い方に慣れて、実戦での信頼を積まなきゃ」
「…そうか…」
俺が思っている以上に、二人で戦うのは難しい、ってことか。
今のところあいつら、連帯感ゼロだからな。
それはどちらが悪いという訳ではなく、ただ経験不足だから。
そして、まだお互いを信頼しきれていないから…。
無意識に、心の中にあるのだ。
「本当に、この人は自分の背中を守りきってくれるのだろうか?」という疑問が。
…難しいな。
ついこの間まで、殺し合う仲だったのだから。
仕方ないと言えば、仕方ないのだが…。
「…って、まぁここでうだうだ喋ってても仕方ないな」
そう言って、キュレムが立ち上がった。


