「あぁ。実は、面倒見てやって欲しい生徒がいるんだ」
「生徒…?今夏休みでしょ?皆実家に帰ってのんびりしてるんじゃないんですか?あー俺ものんびりしたい」
自分の欲望が見え隠れしてるが、それは置いといて。
「帰る場所のない生徒もいるんだよ。聞いてはいるだろ?令月とすぐりのこと」
「…?」
悲報。
ルイーシュ、令月とすぐりを覚えていない。
「…話を真面目に聞くということを知らないから、コイツ。あのなルイーシュ。先日、『アメノミコト』とかいう暗殺者集団が攻めてきたろ?そこの元暗殺者を二人、学院で預かってるんだよ」
俺達の代わりに、キュレムが説明してくれた。
有り難い。
「あぁ、思い出しました。確か、学院長の首を狙って、遥々ご苦労様なことにジャマ王国からやって来たのに、あっさり撃退されたどころか学院長の舌先三寸で懐柔され、更にその裏切り者を殺す為に再び暗殺者を送り込んだけど、やっぱり撃退されて懐柔されて、あっさり学院長の罠に嵌って、生徒にされたっていうあの可哀想な暗殺者達のことですか」
その通りだけど。
その通りなんだけど。
俺の横で、シルナが無言で突っ伏して半泣きだから、もうちょっとオブラートに包んで欲しかったな。
舌先三寸って。
「その憐れな生徒が、どうかしました?」
「犬猿の仲だった二人なんだが、この度仲直り、更にお前達みたいに、ペア組んで共闘することに決めたらしいんだ」
「へー、ペアで戦うんですか?変わってますね」
自分に言ってるのか?
「だが、元々犬猿の仲で、おまけに一人で戦う訓練しかしてこなかったもんだから、今のところ、お互いの足の引っ張り合いにしかなってない」
「まぁ、そうなるでしょうね」
「そこで、お前達に助言と助力を求めたいんだが」
「ペア組むのやめて、今まで通りお互い一人で戦うことにすれば、万事解決しますよ」
意地でも自分は何もしたくないという、強い意志を感じる。
ルイーシュの横で、キュレムが天を仰いでいる。
「…ルイーシュ」
「何ですか、キュレムさん」
「本末転倒って言葉の意味、知ってるか?」
「皆一切合切面倒なことは投げ捨てて、動物園のパンダのようにダラダラ過ごそう、って意味ですよね」
お前の頭の中の辞書、どうなってるの?
ほぼ全ての言葉の意味、それだろ。
キュレムお前、いつもこんなのと一緒に任務こなしてるのな。
偉いよお前は。
「…ルイーシュの戯言はともかく」
キュレムが仕切り直して、そう言った。
「つまり俺達に、二人一組の戦い方を指南して欲しい、ってことね?」
「そうだな」
そういうことだ。
「駄目か?」
「…駄目とは言わんけど…。また難しいこといってくれるねぇ」
そりゃ申し訳ない。
「でも、俺が知る中で、お前達以上に熟練したペアはいない。だから、お前達に頼みたい」
実力的にも、令月とすぐりに匹敵する…あの二人に教えられる魔導師は、魔導部隊大隊長のキュレム達くらい。
自分より能力の劣った者に教えられても、二人共納得しないだろうし。
「お褒めに預かり光栄。ではあるけども…。うーん…」
ルイーシュは、明らかに嫌そうな顔。これは予測済み。
しかし、意外なことにキュレムも、難色を示していた。
「そんなに難しいか?」
「多分、羽久が思ってるより、三倍は難しいよ」
…そうなの?
「何て言ったら良いのかねぇ…。そりゃまー、俺もルイーシュと組んで長くなるけど、そうだなー…」
「キュレムさん、ハッキリ言ってやれば良いじゃないですか。教えて、簡単に連携取れるようになったら苦労しねーよ、って」
「…お前はハッキリ言い過ぎだ」
教えて、簡単に連携取れるようになったら、苦労しない…か。
俺は、良い考えだと思ってキュレム達を呼んだが。
もしかして、俺は浅はかだったのだろうか。
「生徒…?今夏休みでしょ?皆実家に帰ってのんびりしてるんじゃないんですか?あー俺ものんびりしたい」
自分の欲望が見え隠れしてるが、それは置いといて。
「帰る場所のない生徒もいるんだよ。聞いてはいるだろ?令月とすぐりのこと」
「…?」
悲報。
ルイーシュ、令月とすぐりを覚えていない。
「…話を真面目に聞くということを知らないから、コイツ。あのなルイーシュ。先日、『アメノミコト』とかいう暗殺者集団が攻めてきたろ?そこの元暗殺者を二人、学院で預かってるんだよ」
俺達の代わりに、キュレムが説明してくれた。
有り難い。
「あぁ、思い出しました。確か、学院長の首を狙って、遥々ご苦労様なことにジャマ王国からやって来たのに、あっさり撃退されたどころか学院長の舌先三寸で懐柔され、更にその裏切り者を殺す為に再び暗殺者を送り込んだけど、やっぱり撃退されて懐柔されて、あっさり学院長の罠に嵌って、生徒にされたっていうあの可哀想な暗殺者達のことですか」
その通りだけど。
その通りなんだけど。
俺の横で、シルナが無言で突っ伏して半泣きだから、もうちょっとオブラートに包んで欲しかったな。
舌先三寸って。
「その憐れな生徒が、どうかしました?」
「犬猿の仲だった二人なんだが、この度仲直り、更にお前達みたいに、ペア組んで共闘することに決めたらしいんだ」
「へー、ペアで戦うんですか?変わってますね」
自分に言ってるのか?
「だが、元々犬猿の仲で、おまけに一人で戦う訓練しかしてこなかったもんだから、今のところ、お互いの足の引っ張り合いにしかなってない」
「まぁ、そうなるでしょうね」
「そこで、お前達に助言と助力を求めたいんだが」
「ペア組むのやめて、今まで通りお互い一人で戦うことにすれば、万事解決しますよ」
意地でも自分は何もしたくないという、強い意志を感じる。
ルイーシュの横で、キュレムが天を仰いでいる。
「…ルイーシュ」
「何ですか、キュレムさん」
「本末転倒って言葉の意味、知ってるか?」
「皆一切合切面倒なことは投げ捨てて、動物園のパンダのようにダラダラ過ごそう、って意味ですよね」
お前の頭の中の辞書、どうなってるの?
ほぼ全ての言葉の意味、それだろ。
キュレムお前、いつもこんなのと一緒に任務こなしてるのな。
偉いよお前は。
「…ルイーシュの戯言はともかく」
キュレムが仕切り直して、そう言った。
「つまり俺達に、二人一組の戦い方を指南して欲しい、ってことね?」
「そうだな」
そういうことだ。
「駄目か?」
「…駄目とは言わんけど…。また難しいこといってくれるねぇ」
そりゃ申し訳ない。
「でも、俺が知る中で、お前達以上に熟練したペアはいない。だから、お前達に頼みたい」
実力的にも、令月とすぐりに匹敵する…あの二人に教えられる魔導師は、魔導部隊大隊長のキュレム達くらい。
自分より能力の劣った者に教えられても、二人共納得しないだろうし。
「お褒めに預かり光栄。ではあるけども…。うーん…」
ルイーシュは、明らかに嫌そうな顔。これは予測済み。
しかし、意外なことにキュレムも、難色を示していた。
「そんなに難しいか?」
「多分、羽久が思ってるより、三倍は難しいよ」
…そうなの?
「何て言ったら良いのかねぇ…。そりゃまー、俺もルイーシュと組んで長くなるけど、そうだなー…」
「キュレムさん、ハッキリ言ってやれば良いじゃないですか。教えて、簡単に連携取れるようになったら苦労しねーよ、って」
「…お前はハッキリ言い過ぎだ」
教えて、簡単に連携取れるようになったら、苦労しない…か。
俺は、良い考えだと思ってキュレム達を呼んだが。
もしかして、俺は浅はかだったのだろうか。


