神殺しのクロノスタシス3

そっか。

やっぱり、我儘なんだ。

『八千歳』に、僕と仲良くなるつもりはなくて…。

…。

「…欲しかったな」

「何を?」

「…友達…」

贅沢だね。我儘だよね。

たくさん人を殺して、血にまみれた両手で。

そんな人間が、普通の学校に通わせてもらってるだけでも、充分贅沢なのに。

その上、腹を割って話せる友達が欲しいなんて…。

でも、欲しかったな。

味方や仲間じゃなくて、友達が。

そしたら僕は、きっと、凄く幸せに…。

「…寂しがり屋だなぁ」

「…ずっと一人ぼっちだったからね」

「へぇ。実は、俺も一人ぼっちだったんだ。一人だってことに気づかないくらいに」

…『八千歳』?

「知ってる?昔の人の話。ずっと一人ぼっちだった人は、ようやく誰かと出会って、初めて自分が孤独だったことに気づいて…。その人とずっと一緒にいる為に、世界さえ敵に回したらしいよ」

…それって。

「だから俺達も、同じなのかもね」

「え…」

「俺はずっと、『八千代』より強くなることしか考えてなかった。『八千代』を越えることに精一杯で、それ以上のことも、それ以外のことも考えてなかった」

「…」

「でもさー…なんか、どーでも良くなっちゃった」

…はい?

『八千歳』は、天を仰いでそう言った。