神殺しのクロノスタシス3

「僕を置いていかないでよ。一人で遠くに行っちゃわないで」

「…」

「何で僕が、『八千歳』と仲良くなりたいって言ってるか、『八千歳』には分かる?」

「…知らないよ、そんなの」

やっぱり。

本当に君は、僕の気持ちが分かってない。

お互い様なのかもしれないけど。

「一人ぼっちだからだよ。ジャマ王国の、『アメノミコト』の暗殺者だった人間と、誰が仲良くなれるの?誰が、偏見も持たずに心を通わせてくれると思う?」

「…中には、そーいうの気にしない人もいるでしょ」

いるかもね。

学院長達はそうだね。

「でも僕らは、これから先この国で生きていく上で、自分の出自は隠さなきゃならない」

「…そーだろうね」

「誰も僕らの気持ちは分からない。本音で話せる人がいない。この血に濡れた両手を、隠さずにいられる相手はいないんだ」

「…そーかもね」

「君は、ずっと僕を殺したかったのかもしれない。だけど僕はずっと…許されるなら『八千歳』と…肩を並べていたかった」

「…」

「そう願うのは駄目?贅沢なの?折角平和な国に来たんだから、折角、ようやくしがらみから開放されたんだから、『八千歳』と分かり合いたい。仲良くなりたいって思うのは、僕の我儘なの?」

…思いの丈を。

思いっきり、打ち明けてみたのだけど。

『八千歳』は、どう…、

「…我儘だなー」

「…」

…やっぱり、我儘だって言われた。