「あなたは、令月さんに何の憎しみも持ってない。嫌ってはいるけど、憎んではいない。だったらやり直せる。今すぐじゃなくて良い、何年でも良い、何百年、何千年かけても良い。あなた達はまだ若い」
良いね、若いって。
それだけで一つの財産だよ。
「時間をかけて、お互いのことを知って、お互いの良さを認め合って。自分にないものを相手に見つけて、相手にないものを自分が見つけて、与え合って補って。誰かの価値観じゃない。あなたの、あなた達の価値観で、お互いを認め合えば良いじゃないですか」
「…簡単に言うね」
まぁ、それが出来たら苦労はしない、って奴だよね。
「でも、実際そうですよ。何もかもが優れてて、何もかも完璧な人なんて何処にもいない。皆誰かを羨ましいと思ってて、誰かに憧れてる」
人間は、貪欲な生き物だからな。
自分も充分綺麗な宝石なのに、他の人の宝石の方が綺麗だと思ってしまう。
「あなたが令月さんを羨ましいと思うように、令月さんもあなたを羨ましいと思ってる。お互いが、お互いにないものを持ってるから」
皆、隣の芝は青いってね。
自分の芝だってちゃんと青いのに、それが見えない。
僕も、人のこと言えないんだけどね。
実際自分の芝は役立たずだと思って、暴走して人格消えたり、記憶消えたりしてたし。
だから、あまり偉そうには言えないが。
でも、僕は素直に。
「仲良く出来るものなら、そうして欲しい。あなた達は、同じ国の、同じ組織から来た、同じ痛みと同じ苦しみを知ってる、唯一無二の存在だから」
僕がそう言っても、すぐりさんは絶対認めないだろうけど。
そんな相手、普通いないよ?
僕ら大人達は皆、違う場所で生まれて、違う場所で育って、違う人生を生きて。
偶然、このルーデュニア聖王国の、イーニシュフェルト魔導学院という場所に辿り着いたから、一緒にいるけど。
そんな、子供の頃からずっと同じ場所で生きてきました、なんて相手。
いないでしょ。僕がすぐりさんと同い年の頃の同級生なんて、もうこの世の何処にもいないだろうし。
「今は出来なくても、いつか仲良くなってください。いつか友達になって、隣に立ってて安心出来る存在になってください。これは命令とかじゃなくて…そうであったら良いなという、汚い大人の願いです」
だから、別に無理に叶えなくて良い。
叶わなくても良い。勿体ないなとは思うけど。
「…じゃ、言いたいことは言ったんで、僕は帰りますね」
心読んでないから、今のすぐりさんの気持ちは分からない。
少しは心が動いたか、それとも。
僕なんかに何を言われても、「そんなの知るか」と思ってるか。
別にどちらでも良い。
さっきも言ったが、この二人にはまだ時間がある。
人生は長い。
いつか分かってくれれば良い。
すると。
「…ナジュせんせー」
「はい?」
「…ナジュせんせーはさ、汚い大人だけど」
知ってる。
「でも…多分、良い教師になれるよ」
…ほう。
「でしょ?僕、イーニシュフェルト魔導学院1の人気教師の座を狙ってるんで、宜しく」
「もう帰っていーよ」
「はいはい。じゃあ帰ります」
そう、僕は汚い大人。
おまけに、両手を血で濡らした、最低な人間。
でも。
「…そんな人間でも、誰かを救いたいなんて生意気なことを考えてしまうんですよね」
だって僕、汚い大人ですから。
良いね、若いって。
それだけで一つの財産だよ。
「時間をかけて、お互いのことを知って、お互いの良さを認め合って。自分にないものを相手に見つけて、相手にないものを自分が見つけて、与え合って補って。誰かの価値観じゃない。あなたの、あなた達の価値観で、お互いを認め合えば良いじゃないですか」
「…簡単に言うね」
まぁ、それが出来たら苦労はしない、って奴だよね。
「でも、実際そうですよ。何もかもが優れてて、何もかも完璧な人なんて何処にもいない。皆誰かを羨ましいと思ってて、誰かに憧れてる」
人間は、貪欲な生き物だからな。
自分も充分綺麗な宝石なのに、他の人の宝石の方が綺麗だと思ってしまう。
「あなたが令月さんを羨ましいと思うように、令月さんもあなたを羨ましいと思ってる。お互いが、お互いにないものを持ってるから」
皆、隣の芝は青いってね。
自分の芝だってちゃんと青いのに、それが見えない。
僕も、人のこと言えないんだけどね。
実際自分の芝は役立たずだと思って、暴走して人格消えたり、記憶消えたりしてたし。
だから、あまり偉そうには言えないが。
でも、僕は素直に。
「仲良く出来るものなら、そうして欲しい。あなた達は、同じ国の、同じ組織から来た、同じ痛みと同じ苦しみを知ってる、唯一無二の存在だから」
僕がそう言っても、すぐりさんは絶対認めないだろうけど。
そんな相手、普通いないよ?
僕ら大人達は皆、違う場所で生まれて、違う場所で育って、違う人生を生きて。
偶然、このルーデュニア聖王国の、イーニシュフェルト魔導学院という場所に辿り着いたから、一緒にいるけど。
そんな、子供の頃からずっと同じ場所で生きてきました、なんて相手。
いないでしょ。僕がすぐりさんと同い年の頃の同級生なんて、もうこの世の何処にもいないだろうし。
「今は出来なくても、いつか仲良くなってください。いつか友達になって、隣に立ってて安心出来る存在になってください。これは命令とかじゃなくて…そうであったら良いなという、汚い大人の願いです」
だから、別に無理に叶えなくて良い。
叶わなくても良い。勿体ないなとは思うけど。
「…じゃ、言いたいことは言ったんで、僕は帰りますね」
心読んでないから、今のすぐりさんの気持ちは分からない。
少しは心が動いたか、それとも。
僕なんかに何を言われても、「そんなの知るか」と思ってるか。
別にどちらでも良い。
さっきも言ったが、この二人にはまだ時間がある。
人生は長い。
いつか分かってくれれば良い。
すると。
「…ナジュせんせー」
「はい?」
「…ナジュせんせーはさ、汚い大人だけど」
知ってる。
「でも…多分、良い教師になれるよ」
…ほう。
「でしょ?僕、イーニシュフェルト魔導学院1の人気教師の座を狙ってるんで、宜しく」
「もう帰っていーよ」
「はいはい。じゃあ帰ります」
そう、僕は汚い大人。
おまけに、両手を血で濡らした、最低な人間。
でも。
「…そんな人間でも、誰かを救いたいなんて生意気なことを考えてしまうんですよね」
だって僕、汚い大人ですから。


