「たった今、あなたの知能は幼稚園児以下だと証明された訳ですが、気分はどうですか?」
「…良い訳ないでしょ」
だろうね。
「でも、分かったでしょう?」
「…」
「自分が、いかに矮小な価値観で物事を考えているか。イーニシュフェルト魔導学院の制服を着ていながら、あなたの中身は、未だに『アメノミコト』にいたときのままなんですよ」
そりゃ、ずっとそこで生きてきたんだから、当然と言えば当然なんだけど。
「…だから、何なの?」
すぐりさんが、力なく呟いた。
「だから『八千代』と仲良くしろって?過去の因縁なんか忘れろって?そんなの、無理に…」
「無理でしょうね。だから僕は、令月さんと仲良くしろ、とは言いません。どうやったって、嫌いな人はいますし。生理的に無理な人っていますし」
理由は分かんないけど、コイツだけは無理!って人。
いない?たまに。
何人かはいるもんだよ。誰しも。
「だけど年長者の僕から、二つアドバイスさせてください」
「…二つもあるの?」
たった二つじゃないか。聞いてくれよ。
「一つ。あなたと令月さんは恐らく、ジャマ王国の『アメノミコト』ではなく、ルーデュニア聖王国イーニシュフェルト魔導学院で出会っていたら、きっと仲良くなれたでしょう。友達にもなれたでしょう。あんな因縁さえなければ、あなた達はきっと、親友になれていたと思いますよ」
「…」
まぁ、そんなこと、今考えたって仕方ない。
出会い方をやり直すなんて無理だから。
そして。
「二つ。あなたと令月さんは、過去の因縁を抱えてても、それでも友人になれる可能性は残ってます。あなたに今、その気がないだけで」
「…何で、そう言い切れるの?」
「すぐりさんがずっと、令月さんのこと嫌いって言ってるからです」
「…意味分かんないね。嫌いなんだから、友達になんてなれる訳…」
「嫌いだからですよ。あなたは令月さんを嫌いだとは言うけど、憎いとは言ってない」
「…!」
気づいてたか?
気づいてなかったんだろうな、その様子じゃ。
でも、そうなんだよ。
この人、令月さんを毛嫌いしてるけど。
でも、憎んではいない。憎いとは言ってない。
そして僕は、そんな二人が羨ましい。
「嫌い同士は、時間をかけて関係を築き直せば、いつかは仲良くなれる…可能性がある。でも、憎んでたら無理です。腹の底で憎しみを抱いてる相手と、心から親友になることは出来ない」
僕と天音さんが良い例。
天音さんは大人だし、性格も優しいから、普段は僕への憎しみなんて、全く感じさせない。
だけど、腹の底に、いつもかすかに残っている。
ほんの少しだけ、わだかまりを抱えている。
天音さん自身は無意識だ。本人にそのつもりはない。
本人がそう言ったように、僕を許してくれている。それも分かる。
だけど、心の奥底。その深くの、ほんの隅っこに。
僕への憎しみがある。僕にはそれが見える。
それは仕方ない。僕はあの人に、あの人の大切な人達に、憎まれて当然のことをしたのだから。
だから、僕はきっと、これから何百年、何千年とたとうと。
天音さんと、何のわだかまりもない、心からの親友になることは出来ないだろう。
悲しいけれど、それは僕が悪い。身から出た錆。
でも、令月さんとすぐりさんは違う。
すぐりさんは令月さんを嫌ってはいるけど、憎んではいない。
これは大事なことだ。
「…良い訳ないでしょ」
だろうね。
「でも、分かったでしょう?」
「…」
「自分が、いかに矮小な価値観で物事を考えているか。イーニシュフェルト魔導学院の制服を着ていながら、あなたの中身は、未だに『アメノミコト』にいたときのままなんですよ」
そりゃ、ずっとそこで生きてきたんだから、当然と言えば当然なんだけど。
「…だから、何なの?」
すぐりさんが、力なく呟いた。
「だから『八千代』と仲良くしろって?過去の因縁なんか忘れろって?そんなの、無理に…」
「無理でしょうね。だから僕は、令月さんと仲良くしろ、とは言いません。どうやったって、嫌いな人はいますし。生理的に無理な人っていますし」
理由は分かんないけど、コイツだけは無理!って人。
いない?たまに。
何人かはいるもんだよ。誰しも。
「だけど年長者の僕から、二つアドバイスさせてください」
「…二つもあるの?」
たった二つじゃないか。聞いてくれよ。
「一つ。あなたと令月さんは恐らく、ジャマ王国の『アメノミコト』ではなく、ルーデュニア聖王国イーニシュフェルト魔導学院で出会っていたら、きっと仲良くなれたでしょう。友達にもなれたでしょう。あんな因縁さえなければ、あなた達はきっと、親友になれていたと思いますよ」
「…」
まぁ、そんなこと、今考えたって仕方ない。
出会い方をやり直すなんて無理だから。
そして。
「二つ。あなたと令月さんは、過去の因縁を抱えてても、それでも友人になれる可能性は残ってます。あなたに今、その気がないだけで」
「…何で、そう言い切れるの?」
「すぐりさんがずっと、令月さんのこと嫌いって言ってるからです」
「…意味分かんないね。嫌いなんだから、友達になんてなれる訳…」
「嫌いだからですよ。あなたは令月さんを嫌いだとは言うけど、憎いとは言ってない」
「…!」
気づいてたか?
気づいてなかったんだろうな、その様子じゃ。
でも、そうなんだよ。
この人、令月さんを毛嫌いしてるけど。
でも、憎んではいない。憎いとは言ってない。
そして僕は、そんな二人が羨ましい。
「嫌い同士は、時間をかけて関係を築き直せば、いつかは仲良くなれる…可能性がある。でも、憎んでたら無理です。腹の底で憎しみを抱いてる相手と、心から親友になることは出来ない」
僕と天音さんが良い例。
天音さんは大人だし、性格も優しいから、普段は僕への憎しみなんて、全く感じさせない。
だけど、腹の底に、いつもかすかに残っている。
ほんの少しだけ、わだかまりを抱えている。
天音さん自身は無意識だ。本人にそのつもりはない。
本人がそう言ったように、僕を許してくれている。それも分かる。
だけど、心の奥底。その深くの、ほんの隅っこに。
僕への憎しみがある。僕にはそれが見える。
それは仕方ない。僕はあの人に、あの人の大切な人達に、憎まれて当然のことをしたのだから。
だから、僕はきっと、これから何百年、何千年とたとうと。
天音さんと、何のわだかまりもない、心からの親友になることは出来ないだろう。
悲しいけれど、それは僕が悪い。身から出た錆。
でも、令月さんとすぐりさんは違う。
すぐりさんは令月さんを嫌ってはいるけど、憎んではいない。
これは大事なことだ。


