いざ。
令月とすぐりの対決が始まった。
令月の武器は、両手に木刀二本。
対するすぐりの武器は、言わずもがな、あの自由自在の糸と、黒い二本のワイヤーである。
毒魔法は禁止されたものの、他の魔法に関しては禁じられていない。
手数が多いのは、圧倒的にすぐりだ。
令月は二本の木刀と、唯一彼が使える力魔法しかない訳だからな。
故に。
開始すると同時に、令月は先手必勝とばかりに飛び出した。
すぐりの戦闘スタイルは、糸を張り巡らせ、自分のフィールドを作って敵を絡め取るもの。
だからこそ、糸を展開される前に、カタをつけようとしたのだ。
その速さと言ったら、素人なら目で追うことすら出来なかっただろう。
しかし。
すぐりの方も、そんなことはお見通し。
令月の初太刀を、すぐりは黒いワイヤー二本で防御した。
恐ろしいのは、木刀なのに、あの硬いワイヤーに傷がついていたことだ。
どんな威力だよ、あれ。
初太刀を防いだすぐりは、すぐさま両手の糸で令月の木刀を絡め取ろうとした、
ので。
防がれたと同時に、令月は飛び退いて、すぐりから距離を取った。
その隙に、すぐりはワイヤーを再生し、更に両手の糸も増産していた。
段々と…すぐりのペースになってきてるか?
糸を増やされると、令月には辛いだろう。
しかし、令月は動じない。
それすら想定内とでも言うように、再び木刀を構え直した。
二人共、動揺するということを知らない。
そして。
距離が離れるが否や、すぐりの黒いワイヤーが襲い掛かってきた。
物凄い速度と威力。
こちらもまた、目で追うのに必死だが。
令月は、必要最低限の動きでワイヤーをかわし。
かわしながら、すぐりに近づいていった。
令月は、自分の弱みを知っている。
敵の懐に入らなければ、倒すことは出来ない。
故に、すぐりのワイヤーを避けながら、すぐりに接近しようとした。
その体幹の鍛え上げられたことと言ったら、お前は体操選手か何かなのかと突っ込みたくなるくらい。
縦横無尽に襲ってくるワイヤーを、アクロバティックな動きで避けていた。
どんだけ身体柔らかいんだ、あいつ。
あの体勢で、体幹崩れてないのが凄い。
さすが接近戦のプロと言ったところか。
しかし。
「!?」
その令月の体勢が、崩れた。
「足元にはご注意、ってね」
糸だ。
すぐりは、黒い二本のワイヤーとワイヤーの隙間に、こっそり透明な、細い糸を仕込ませていた。
その透明な糸に気づかず引っ掛かって、令月は足元を崩された。
すぐりが、その隙を逃すはずがなく。
体勢を崩した令月の喉元に、黒いワイヤーを突き立てようとした。
お、おい殺し合いじゃないって分かってるよな?
しかし。
令月は、敢えて体勢を立て直そうとはせず。
そのまま足を滑らせ、床に倒れながら、横に身体を一回転。
すんでのところで、すぐりのワイヤーを避けた。
…あの体勢から避けるの?マジで?
どんだけ体幹強いんだ。
シルナだったら、あっという間に尻餅ついて、すぐりワイヤーの餌食になっていたことだろう。
鈍臭いからな。シルナは。
「令月君が凄いけど…。同時に羽久が、私に失礼なこと考えてる気がする…」
シルナが横で何か言ってたが、目の前の試合が凄過ぎて、それどころじゃない。
令月とすぐりの対決が始まった。
令月の武器は、両手に木刀二本。
対するすぐりの武器は、言わずもがな、あの自由自在の糸と、黒い二本のワイヤーである。
毒魔法は禁止されたものの、他の魔法に関しては禁じられていない。
手数が多いのは、圧倒的にすぐりだ。
令月は二本の木刀と、唯一彼が使える力魔法しかない訳だからな。
故に。
開始すると同時に、令月は先手必勝とばかりに飛び出した。
すぐりの戦闘スタイルは、糸を張り巡らせ、自分のフィールドを作って敵を絡め取るもの。
だからこそ、糸を展開される前に、カタをつけようとしたのだ。
その速さと言ったら、素人なら目で追うことすら出来なかっただろう。
しかし。
すぐりの方も、そんなことはお見通し。
令月の初太刀を、すぐりは黒いワイヤー二本で防御した。
恐ろしいのは、木刀なのに、あの硬いワイヤーに傷がついていたことだ。
どんな威力だよ、あれ。
初太刀を防いだすぐりは、すぐさま両手の糸で令月の木刀を絡め取ろうとした、
ので。
防がれたと同時に、令月は飛び退いて、すぐりから距離を取った。
その隙に、すぐりはワイヤーを再生し、更に両手の糸も増産していた。
段々と…すぐりのペースになってきてるか?
糸を増やされると、令月には辛いだろう。
しかし、令月は動じない。
それすら想定内とでも言うように、再び木刀を構え直した。
二人共、動揺するということを知らない。
そして。
距離が離れるが否や、すぐりの黒いワイヤーが襲い掛かってきた。
物凄い速度と威力。
こちらもまた、目で追うのに必死だが。
令月は、必要最低限の動きでワイヤーをかわし。
かわしながら、すぐりに近づいていった。
令月は、自分の弱みを知っている。
敵の懐に入らなければ、倒すことは出来ない。
故に、すぐりのワイヤーを避けながら、すぐりに接近しようとした。
その体幹の鍛え上げられたことと言ったら、お前は体操選手か何かなのかと突っ込みたくなるくらい。
縦横無尽に襲ってくるワイヤーを、アクロバティックな動きで避けていた。
どんだけ身体柔らかいんだ、あいつ。
あの体勢で、体幹崩れてないのが凄い。
さすが接近戦のプロと言ったところか。
しかし。
「!?」
その令月の体勢が、崩れた。
「足元にはご注意、ってね」
糸だ。
すぐりは、黒い二本のワイヤーとワイヤーの隙間に、こっそり透明な、細い糸を仕込ませていた。
その透明な糸に気づかず引っ掛かって、令月は足元を崩された。
すぐりが、その隙を逃すはずがなく。
体勢を崩した令月の喉元に、黒いワイヤーを突き立てようとした。
お、おい殺し合いじゃないって分かってるよな?
しかし。
令月は、敢えて体勢を立て直そうとはせず。
そのまま足を滑らせ、床に倒れながら、横に身体を一回転。
すんでのところで、すぐりのワイヤーを避けた。
…あの体勢から避けるの?マジで?
どんだけ体幹強いんだ。
シルナだったら、あっという間に尻餅ついて、すぐりワイヤーの餌食になっていたことだろう。
鈍臭いからな。シルナは。
「令月君が凄いけど…。同時に羽久が、私に失礼なこと考えてる気がする…」
シルナが横で何か言ってたが、目の前の試合が凄過ぎて、それどころじゃない。


