神殺しのクロノスタシス3

「良いですよ〜。恋人がいるって。その人の笑顔を見る為なら、何でも出来るっていう力が湧いてきますからね」

ナジュが言うと、説得力が違うな。

そして。

「分かる〜!まぁ俺の場合、まず王子になるところから始めなきゃならないんだけどね」

…何の話?

「しかもお花畑だよ?何処に作れば良いんだよ…」

「いや、すぐりさんはまだ楽な方でしょ。僕の前世なんて、王子だったのに風俗嬢に恋をして、王子やめてマフィアに入ってまで愛する人と添い遂げたんですから。それを思えば楽勝」

ますます何の話?

「ナジュせんせーは良いよ。だって、話が通じるんでしょ?好きだって言って、ちゃんとラブの意味で通じるんでしょ?」

「言わなくても、我々以心伝心ですから」

「俺なんて、何言っても全部ライク扱いだよ。もう何して良いのか分かんない。白馬の王子とか何なんだよ…」

「いやー、恋する相手が厄介だと、大変ですね〜」

「魔物に恋してる人に言われたくないね」 

ナジュとすぐりは、変な方向に話が盛り上がってるが。

「…」

一人、ポツンと置いてけぼりの令月。

可哀想。

するとナジュは、そんな令月に気づいたのか。

「疎いですねぇ令月さん。あなたも年相応に、二次性徴迎えても良いんですよ?」

「うん…?」

「ところでお二人共、子供の作り方知ってます?」

俺とシルナが、揃って噴き出した。

何言ってんの。この色ボケ教師。

「うん、知ってるよ」

恥ずかしがるでもなく、何の躊躇もなく頷く令月。

おい。

学生寮の一室を、R18にするのやめろ。

しかし。

「コウノトリが運んでくるんでしょ?」

令月の性教育、幼稚園時点で止まってることが判明。

ある意味平和。

すると。

「ばっかだな〜『八千代』。そんな子供騙しに、まだ騙されてるの?」

「え?」

やはり。

すぐりは、そういう方面の話においては、令月より先を行っているらしい。

今時、幼稚園児でも「コウノトリさんが〜」はないわ。

かと言って、こんなところで生々しい話をされるのも…。

俺はまぁ良いとして、シルナが既に半パニックであわあわしてる。

「『八千歳』は知ってるの?」
 
「うん。見たことあるもん、現場」

…マジで?

それはあの…両親の、ってこと?

ちょっとあまり、子供に見せるものではない…。

「どんな感じだった?」

おい令月、聞くな。

こんなところで「そういう」話をしたら、シルナがパニックに、

「どんな感じも何も、ヒョイッで終わりだよ。橋の下から拾ってくるんだから」

…。

…ん?