「君がぬくぬくしてた間にも、俺は牙を研いでいたんだよ。いつか…君を殺す日が来ると信じてね」
「…」
「さっきまでの糸とは比べ物にならないでしょ?」
…そうだね。
二本の黒いワイヤーの先は、肉体を抉るドリルのような形状になっている。
強度も速度も長さも、さっきまでの糸とは段違いだ。
あれが、『八千歳』の虎の子ってことか…。
おまけに。
「…はぁ…はぁ…」
早速、毒が回ってきた。
あのワイヤーの先、ドリルのような形状のあの部分。
あそこに、毒が塗られている。
さっき僕は、背中にあれを思いっきり食らってしまった。
毒が、身体に回り始めている。
血の流れを意識的に遅くし、臓器に毒が回るのを防ぐ。
僕の身体には、毒薬の耐性がついている。
でも、『アメノミコト』の…しかも、『八千歳』の毒を相手に、どれだけ時間を稼げるか。
「無様な姿だね、『八千代』」
『八千歳』は、木の上に立って僕を見下ろした。
「怪しげな呪い師に騙されて、拐かされて、自分の役目も忘れて裏切って、結局その様?」
「…」
「君にはもう、何の価値もない。人を殺さないなら、君にはもう生きている意味なんてないんだよ」
…生きている意味なんてない。
人を殺さない僕に、価値なんてない。
僕もそう思ってる。そう思っていた。
かつてはそうだった。
だけど、今は違う。
僕は、世界にこんなにも美しい色があるのだと知った。
僕も、この美しい色の世界で生きていたいと思った。
「これで俺の方が強いと証明された。これで俺の方が、頭領様の役に立つと証明された…」
そんなことしか考えられない、君には。
きっと、分からないかもしれないけれど。
「さぁ、終わりにしよう。とどめだよ」
『八千歳』の二本のワイヤーが、僕の心臓めがけて迫ってきた。
「…」
「さっきまでの糸とは比べ物にならないでしょ?」
…そうだね。
二本の黒いワイヤーの先は、肉体を抉るドリルのような形状になっている。
強度も速度も長さも、さっきまでの糸とは段違いだ。
あれが、『八千歳』の虎の子ってことか…。
おまけに。
「…はぁ…はぁ…」
早速、毒が回ってきた。
あのワイヤーの先、ドリルのような形状のあの部分。
あそこに、毒が塗られている。
さっき僕は、背中にあれを思いっきり食らってしまった。
毒が、身体に回り始めている。
血の流れを意識的に遅くし、臓器に毒が回るのを防ぐ。
僕の身体には、毒薬の耐性がついている。
でも、『アメノミコト』の…しかも、『八千歳』の毒を相手に、どれだけ時間を稼げるか。
「無様な姿だね、『八千代』」
『八千歳』は、木の上に立って僕を見下ろした。
「怪しげな呪い師に騙されて、拐かされて、自分の役目も忘れて裏切って、結局その様?」
「…」
「君にはもう、何の価値もない。人を殺さないなら、君にはもう生きている意味なんてないんだよ」
…生きている意味なんてない。
人を殺さない僕に、価値なんてない。
僕もそう思ってる。そう思っていた。
かつてはそうだった。
だけど、今は違う。
僕は、世界にこんなにも美しい色があるのだと知った。
僕も、この美しい色の世界で生きていたいと思った。
「これで俺の方が強いと証明された。これで俺の方が、頭領様の役に立つと証明された…」
そんなことしか考えられない、君には。
きっと、分からないかもしれないけれど。
「さぁ、終わりにしよう。とどめだよ」
『八千歳』の二本のワイヤーが、僕の心臓めがけて迫ってきた。


