神殺しのクロノスタシス3

ナジュが考案した、仲良し計画は。

何故か、夜に行われた。

夜、ナジュはすぐりを連れて、令月の部屋に行った。

「成程、お泊り会するんだね」

と、分身シルナヤモリの目を通して察するシルナ。

部屋の中にヤモリ這ってたら、気持ち悪いよなぁ。ごめんな。

「お泊り会は良いよね〜!やってみたいよね!生徒と!」

「…なんつーか、そういう意図がないと分かってても、お前みたいなおっさんが言うと、犯罪にしか聞こえないな」

「羽久が、私に失礼なこと言ってる気がする!」

「あ、ほら入るぞ」

俺は毎回、事実しか言ってない。

それより、ナジュ達の動向だ。

ナジュに連れられ、すぐりは令月の部屋に入った。

本来の令月のルームメイト、ユイト・ランドルフは、現在実家に帰っているので。

彼に迷惑をかけることはない。

「良い考えだよね、お泊り会!さすがナジュ君!これはもう仲良し間違いなしだね!」

シルナ。

お前は、お泊り会にどれほど夢を抱いてるんだ?

そんなに簡単に事が進むなら、こんな企画を立てるほど苦労してないと思うぞ。

そして、案の定。

「…げ」

「…」

すぐりは、部屋の中にいる令月を見るなり、顔をしかめた。

二人共、お揃いの格好をしていたからである。

ナジュは、普通のルームウェアを着ているのだが。

令月とすぐりは、それぞれ黒の甚平を着ていた。

お前ら、それが寝間着代わりだもんな。

おまけに、寝具。

ベッドがあるんだから、ベッドで寝れば良いのに。

相変わらず、令月の寝具はゴザだった。

そして、すぐりが持参した寝具もまた、ゴザだった。

こればかりは、生まれと育ちの一致だな。

「僕、ゴザで寝るのは遠慮したいんですが…。まぁ仕方ないですね」

と、ナジュ。

うん。俺もゴザはちょっと嫌だな。

起きたら、背中痛くなってそう。

「何で、何が嬉しくて『八千代』なんかの部屋で寝なきゃならないのー?この部屋、『八千代』臭くて吐きそーなんだけど」

「我慢してくださいよ。僕だって、夜は精神世界に行って、リリスに膝枕してもらいたいのに。学院長の謎企画に巻き込まれてこんな目に遭ってるんですから」

正直者の二人。

令月臭いって何だよ。

「シルナ。言われてるぞ」

「私なーんにも聞こえなーい」

都合の良いときだけ、耳が遠くなる学院長。

「ま、年相応にパジャマパーティーでもすれば、少しは親睦も深まるでしょう」

パジャマっつーか。

3分の2、甚平パーティーだけどな。