神殺しのクロノスタシス3

そして、その夜。

緊急職員会議が開かれた。

そこでシルナは、今日一日シルナアブラゼミとして、見聞きした令月とすぐりのやり取りを説明した。

「…と、いう訳なんだけど」

「…」

…一同、無言。

だから何?状態。

実際、俺も思ってる。

だから何?

シラミの養殖は止めたんだから、それで良いだろ。

でも、シルナはそうは思っていなかったようで。

「これは二人の友情の危機だよ!ここは何とかして私達大人が、二人の間を取り持ってあげなきゃ!」

「余計なお世話なのでは?」

一刀両断するイレースの言葉を、聞こえなかったことにして。

シルナは続けた。

「私は思ったんだ。折角の夏休み、二人で過ごせる良い機会なんだから」

…。

「二人に、もっと親睦を深めてもらいたい!仲良くなって欲しい!仲良くなって、一緒にケーキを食べたい!」

それ、お前がケーキ食べたいだけでは?

「そんな訳で、私達で、二人がどうやったら仲良くなれるかを考えよう!」

成程。

それが、本日の職員会議の議題か。

まぁ、あの二人の不仲は、今に始まったことじゃないんだが…。

「別に良いじゃないですか。すぐりさんは、令月さんが園芸部に来られると困るんですよ。彼にとっては大事なランデブーの機会なんですから」

と、ナジュ。

大事なランデブーって…?

「大体、仲良くなりたくないと言ってるすぐりさんに、無理矢理令月さんとくっつけようとするのは、迷惑なのでは?私だって、無理矢理パンダと仲良くさせられるなんて、考えただけで御免ですから」

イレースもまた、辛辣な意見。

「ねぇイレースちゃん…。さっきから、そのパンダってさ…私のこと…?」

「とはいえ令月さんの方は、すぐりさんと仲良くしたがってるんですよ。それをすぐりさんが拒否ってるだけで。複雑ですよねぇ」

「実に一方的な友情ですね」

「私の質問はスルー!?」

答えは聞かない方が身の為ってことだよ。

「でも…あの二人に仲良くなって欲しいっていう、学院長先生のその気持ちは分かるかな」

と、天音。

「だって、さっきの話を聞くに…きっと、元々相性が悪い仲ではなかったんだよ。過去に色々あったから、すぐりさんが一方的に令月さんを嫌ってるだけで…」

…確かに。

「天音君…」

ようやく自分の意見に賛同してくれる人が現れて、感動のシルナである。

良かったな。天音が優しくて。